横浜市では林文子市長就任以来、成長戦略として「観光・創造都市戦略」を積極的に打ち出し、文化芸術創造都市、観光MICEの取り組みに力を入れている。昨年は観光庁より「グローバルMICE戦略都市」に、また「東アジア文化都市」の開催都市に選定された。"千客万来の都市"を目指す、同市の成長戦略を推進する強力なエンジンとして注目される。

都市の強みを生かした
新たなにぎわいづくり

林 文子横浜市長

 去る2月25日、パシフィコ横浜で開催された「東アジア文化都市2014横浜」のオープニング式典で、横浜市の林文子市長は「文化芸術は、言葉を介さなくても人々の心に深く響き、感動を共有できるものだと強く感じています。この事業を、横浜のさらなるにぎわいの創出と経済の活性化につなげ、横浜の新しい魅力を世界に発信していきたい。都市の力によって、新たな価値を創造することができると思っています」と力強く宣言した。

「東アジア文化都市」とは、東アジア域内の相互理解と連帯感を形成し、多様な文化の国際発信力を高めていくため、日中韓3ヵ国の開催都市で1年を通じて多彩な文化芸術イベントを実施するもの。2014年は、中国は泉州市、韓国は光州広域市、日本では横浜市が選ばれた。

 横浜市で、創造都市推進、文化振興、観光・コンベンション振興の各機能を統合した「文化観光局」が新設されたのは11年5月。以来、横浜市中期4か年計画に掲げた「観光・創造都市戦略」の実現に向け、文化芸術、創造都市まちづくり、観光MICEの各分野で積極的なアプローチが行われている。

 文化芸術は人々に感動を与え、多くの人々を引き付ける魅力を都市に与える。それが国際的な都市ブランドを形成する。また特色ある文化芸術を発信することは、にぎわいの創出や経済活性化につながり、豊かな市民生活へと還元される。

 林市長就任以来、横浜の街を舞台に展開する「横浜芸術アクション事業」として「Dance Dance Dance@YOKOHAMA 2012」や「横浜音祭り2013」を開催。それぞれ約125万人、約381万人の集客数があり、約70億円と約37億円(新規事業のみ)の経済波及効果があった。