日本の仮想通貨(暗号資産)業界では、例えば楽天やDMM.comなどの大手ITグループが金融サービスの1つとして仮想通貨取引所を運営しているパターンが多いのだが、今回取り上げるLINE BITMAXもその1つである。
名前からもわかるとおり、LINE BITMAXはメッセンジャーアプリのLINEを手がけている、LINEグループに属する仮想通貨取引所だ。
この記事では、LINE BITMAXのメリット・デメリットや、ユーザーの評判などを解説していく。
- LINE BITMAXは、「かんたん・安心・やさしいを、すべての人に。」をモットーに掲げた仮想通貨取引所
- すべての銘柄に1円から投資できるので、リスクを抑えたい初心者でも安心して使える
- 取引ツールがシンプルで、初心者でも使いやすい
- 機能やサービスがシンプルなので、中級者・上級者には物足りない面もある
- 口座開設はLINEアプリから簡単に申し込むことができる
LINE BITMAXは、LINEアプリ上で簡単に口座開設や取引ができる仮想通貨取引所だ。
また、LINE Payとも連携しており、わざわざ銀行口座から入金しなくても、LINE Payから投資資金を入金することができる。
LINEのサービスを普段から愛用している方は、ぜひこの機会にLINE BITMAXをチェックしてみるとよいだろう。
LINE BITMAXとは?
名称 | LINE BITMAX |
運営会社 | LINE Xenesis株式会社 |
サービス開始 | 2019年9月 |
提供する取引の種類 | 現物取引(販売所) |
取り扱い銘柄数 | 7種類(2023年3月時点) |
最小取引数量 | 取り扱い銘柄すべてで1円相当額 |
その他のサービス | 暗号資産貸し出しサービス |
公式サイト | LINE BITMAX公式サイト |
LINE BITMAXは、LINE株式会社のグループ企業である、LINE Xenesis株式会社が運営する仮想通貨取引所だ。
「かんたん・安心・やさしいを、すべての人に。」をモットーに掲げており、LINE BITMAXはそのモットーのとおり、取引の仕組みやツールを初心者にも徹底的にわかりやすくすることで、競合他社との差別化を実現している。
また、運営元であるLINE Xenesis社は、独自のブロックチェーンである「LINE Blockchain」を手がけており、LINE BITMAXはその基軸通貨であるリンク(LN)を扱う唯一の国内取引所でもある。
ちなみに、リンクはLINE Xenesis社が運営する、NFTマーケットプレイス「LINE NFT」の決済用通貨にも用いられている。
LINE BITMAXの手数料
まずは、LINE BITMAXの各種手数料を表にまとめた。
手数料の種類 | 概要 |
---|---|
口座開設手数料 | 無料 |
取引手数料 | 無料、スプレッドあり |
日本円の入出金手数料 | LINE Payからの入金:無料 銀行口座からの入金:無料 LINE Payへの出金:110円(税込) 銀行口座への出金:400円(税込) |
仮想通貨の入出金手数料 | 入金手数料は全銘柄で無料 出金手数料は以下のとおり ・ビットコイン:0.001BTC ・イーサリアム:0.005ETH ・リップル:0.15XRP ・ビットコインキャッシュ:0.001BCH ・ライトコイン:0.001LTC ・ステラルーメン: 0.01XLM (独自通貨のリンクは入出金の機能なし) |
LINE BITMAXが提供する取引の種類は販売所形式の現物取引のみであり、取引手数料はかからないが、スプレッド(売値と買値の差額)がコストとして生じる。
また、LINE BITMAXでは日本円と仮想通貨の出金時に手数料がかかる。
特に仮想通貨の出金手数料は割高で、例えばビットコインの価格が1BTC=300万円だった場合、1回の出金手続きで3,000円もの手数料を求められる。
仮想通貨をあくまで投資の対象として扱っていて、出金する機会がないユーザーにとっては、いくら仮想通貨の出金手数料が割高だろうが何の問題もない。
しかし、実用のために仮想通貨を売買したい方にとっては、競合他社の中には仮想通貨の出金手数料が一切かからないところもあるので、LINE BITMAXは不向きと言えるだろう。
LINE BITMAXのメリット
LINE BITMAXには次のようなメリットがある。
- すべての銘柄に1円から投資できる
- 取引ツールがシンプルで使いやすい
- 仮想通貨を貸し出して貸借料を得られる
すべての銘柄に1円から投資できる
冒頭で述べたとおり、LINE BITMAXは「かんたん・安心・やさしいを、すべての人に。」をモットーに掲げた仮想通貨取引所であり、それに即したサービスの工夫がなされている。
まず、最小の取引単位についてだが、LINE BITMAXでは取り扱いのある6種類の銘柄すべてにおいて、1円から投資することが可能だ。
そのため、投資経験がない初心者の方でも、無理のない範囲でストレスなく仮想通貨の取引にチャレンジできる。
少ない金額から投資を始めたいとお考えの方は、「仮想通貨の少額投資」の記事もぜひ併せて確認しておきたい。
取引ツールがシンプルで使いやすい
「かんたん・安心・やさしい」を実現するためのもう1つの大きな工夫として、LINE BITMAXでは取引ツールがシンプルでわかりやすく設計されている。
まず、LINE BITMAXは多くの競合他社と違ってスマートフォンからの取引に特化しており、専用の取引アプリはなく、LINEアプリ内から取引ツールにアクセスできるようになっている。
その取引ツールは、1つの画面で現在価格や値動きを瞬間的に把握することができ、下部にある注文のボタンも非常にシンプルだ。
これなら投資初心者でも、最初から難なく仕組みを理解して、取引ができるだろう。
仮想通貨を貸し出して貸借料を得られる
LINE BITMAXは仮想通貨取引だけでなく、「暗号資産貸出サービス」も手がけている。
暗号資産貸出サービスでは、自身が保有している仮想通貨をLINE BITMAXに貸し出すことで、貸し出した数量と期間に応じた賃借料を受け取ることができる。
貸借料率は銘柄や貸出期間によって異なるが、中には貸借料率が年利で10%を超える高利回りの銘柄もあり、LINE BITMAXが人気を集める要因の一つとなっている。
他の取引所の貸暗号資産サービスについては「仮想通貨のレンディング」の記事をチェックしておこう。
LINE BITMAXのデメリット
一方、LINE BITMAXには次のようなデメリットもある。
- 取り扱い銘柄が少ない
- 取引ツールで詳細な値動きの分析ができない
取り扱い銘柄が少ない
「かんたん・安心・やさしい」をモットーに掲げるLINE BITMAXの取り扱い銘柄は、2023年3月時点で以下の7種類となっている。
- リンク(LN)
- ビットコイン(BTC)
- イーサリアム(ETH)
- リップル(XRP)
- ビットコインキャッシュ(BTC)
- ライトコイン(LTC)
- ステラルーメン(XLM)
LINE Xenesis社が発行する独自通貨のリンクを除けば、それ以外のビットコインやイーサリアムなどの6銘柄は、いずれも知名度の高いものばかりだ。
そのため、初心者の方なら投資する銘柄を選ぶ際に迷わなくて済むかもしれないが、中級者や上級者の中には品揃えに物足りなさを感じる方も多いだろう。
さまざまな種類の仮想通貨に投資をしたいという方は、ぜひ「アルトコイン投資におすすめの取引所」の記事を確認しておきたい。
取引ツールで詳細な値動きの分析ができない
メリットの中で実際の取引画面を紹介したとおり、LINE BITMAXの取引ツールは非常にシンプルなものとなっている。
シンプルすぎて移動平均線やMACDといった分析ツールが一切実装されていないため、テクニカル分析がほぼできない点はデメリットだ。
そのため、LINE BITMAXを使いながらテクニカル分析もおこないたい場合は、例えばTradingViewやメタトレーダーなどの、分析に長けたチャートツールを別途用意する必要があるだろう。
LINE BITMAXの評判
続いて、LINE BITMAXへの良い評判と悪い評判を、それぞれ見ていこう。
LINE BITMAXの良い評判
まず、LINE BITMAXへの好意的な声としては以下のようなものがある。
- 総合評価:
- 男性
- 38歳
- 投資額: 120万円
- 仮想通貨歴: 2年
なんといっても暗号資産貸出サービスができるところがメリットだと思います。
暴落のリスクをかかえることなく貸し借りで利益を上げれる素晴らしいサービスです。
あとはLINEアプリからの操作も可能という点で、いつも使用しているアプリから手軽に取り引きができるのもありがたいです。
定期的にキャンペーンもあり仮想通貨を貰えるなどうれしいことばかりです。
- 総合評価:
- 女性
- 25歳
- 投資額: 50万円
- 仮想通貨歴: 1年
ページがシンプルで使いやすく、LINEで入出金の完了や価格のアラートなどの通知を確認できる為、他の取引所と比べて手軽に利用しやすいと思う。リンクが貰えるキャンペーンを開催する事もあり、仮想通貨を手軽に始めたいといった人にとっては良いと思う。
- 総合評価:
- 男性
- 42歳
- 投資額: 60万円
- 仮想通貨歴: 2年
インターネットに接続していないオンラインウォレットであるコールドウォレット100%で運用してくれているのでセキュリティ面では安心できます。
これで外部からのハッキングリスクを防ぐことができます。
それと普段からLINEを使っていて、そのLINEから直接「(LINE)BITMAX」にアクセスができるので使う際に便利です。
それから暗号資産貸出サービスであるレンディングの賃借料が思ったよりも高いところも良いです。
メリットでも紹介したが、実際のユーザーの声を見ても、LINE BITMAXはシンプルな取引ツールへの評価が高い。
細かな分析には向かないという難点もあるが、分析用には他のチャートツールを活用している方や、そもそも取引のときに分析を必要としていない方にとっては、非常に取引をしやすいツールと言えるだろう。
また、暗号資産貸出サービスも好評だ。
LINE BITMAX側も無制限に借り受けてくれるわけではなく、貸し出しの総額に上限はあるが、利回りが良いものを中心にいくつもの対象銘柄がその上限に達するほど、多くのユーザーがこのサービスを活用している。
LINE BITMAXの悪い評判
一方で、以下のようなLINE BITMAXへのネガティブな意見もある。
- 総合評価:
- 男性
- 30歳
- 投資額: 70万円
- 仮想通貨歴: 3年
1番デメリットにらなることは取引銘柄の少なさだと思います。
7種類というのは仮想通貨取引所のなかでは1番少なくアルトコインなどで爆益を夢見ている自分としてはなかなか厳くなりそうだなと感じてしまいました。
- 総合評価:
- 男性
- 23歳
- 投資額: 20万円
- 仮想通貨歴: 1年
取り扱っている通貨の種類が少なく、主要な通貨に関しては取り扱いがある為問題ないが、より本格的に様々な通貨に触れてみたい、分析を表示させたいといった人からすると物足りないと感じるかもしれない。
先述のとおり、LINE BITMAXは使いやすさを優先した作りとなっているため、競合他社と比べてサービスや機能が限られており、取引所のサービスも提供されていない。
また、販売所での取引の際には、取引コストとして割高なスプレッドがかかってしまう。
さらに、仮想通貨を出金する際にも割高な出金手数料を求められる。
これらの要因から、仮想通貨取引に慣れ親しんでいる投資家の中には、LINE BITMAXを好まない方も多いようだ。
以上、LINE BITMAXへの良い評判と悪い評判をそれぞれ紹介した。
これらの評判からも読み取れるとおり、一般的にLINE BITMAXはシンプルな作りで初心者への適性が高い一方、中級者・上級者からするとコストが割高で、機能やサービスも物足りないという見方が強い。
LINE BITMAXを含めて仮想通貨取引所を選ぶ際は、自身が仮想通貨取引をおこなう目的や投資家としてのレベルなどを正しく把握しつつ、こういったユーザーの生の声にも耳を傾けてみるとよいだろう。
LINE BITMAXの口座開設手順
最後に、LINE BITMAXに口座を開設する際の4つのステップを解説していく。
- LINEアプリでLINE BITMAXにアクセスする
- 利用規約等に同意する
- 個人情報を登録する
- 本人確認をおこなう
LINEアプリでLINE BITMAXにアクセスする
LINE BITMAXには専用の取引ツールがなく、LINEアプリ内のツールの1つとなっている。
そのため口座開設の際も、まずはLINEアプリで自身のアカウントにログインする必要がある。
普段使っているLINEアプリにログインしたら、下部メニューバーから「ウォレット」をタップしよう。
ウォレットを開くと、そのサービスの中にLINE BITMAXのボタンがあるので、それをタップするとLINE BITMAXにアクセスすることができる。
LINE BITMAXを開いたら、次にトップ画面に出てくる「口座開設に進む」をタップしよう。
なお、口座開設はスマホからしか申し込むことができない。PCのWebブラウザから口座開設の申し込みをしようとした場合は、LINE BITMAX公式サイトの口座開設ボタンをクリックして表示されるQRコードをスマホカメラで読み込んで、スマホに表示された画面から口座開設を申し込むことになる。
利用規約等に同意する
「口座開設に進む」をタップすると、画像のように利用規約や事前説明書などが、ひととおり表示される。
取引の際に不利益を被ることのないよう、これらの書類をよく確認して、問題がなければ「同意する」をタップしよう。
個人情報を登録する
続いて画面の指示に従って、性別や投資経験などの個人情報を入力していこう。
本人確認をおこなう
最後に、第三者による不正な手続きではないことを示すための本人確認を求められる。
LINE BITMAXの本人確認には、「本人確認書類の撮影」「自身の顔の撮影」「本人情報の入力」の3つの手続きが必要だ。
また、利用できる本人確認書類は以下の6種類なので、この中のいずれか1つを手元に用意しておこう。
- 運転免許証
- マイナンバーカード
- 在留カード
- 運転経歴証明書
- 特別永住者証明書
- 日本政府発行のパスポート
口座開設の申し込み手続きは以上で、即日~3日程度で審査が完了する。あとは、日本円もしくは仮想通貨を入金すれば取引が可能になる。
このように簡単な手続きで口座を持つことができ、手続きに手数料はかからないので、LINE BITMAXに興味があれば、ぜひ気軽に申し込んでみるとよいだろう。
また、初めて仮想通貨投資をするという方は「仮想通貨の始め方」の記事もぜひ確認しておこう。
LINE BITMAXに関してよくある質問
- LINE BITMAXのWalletを解約したいのですが…
-
LINE BITMAXの公式サイトによると、Walletの解約手順は以下の通りとなっている。
1)LINE BITMAX Walletメインメニュー[その他]>[設定]>[アカウントの解約]をタップ
2)公式アカウント「LINE BITMAX Wallet通知」から届く、通知内の「解約手続きを行う」をタップ
3)解約に向けた注意事項を確認のうえ、解約同意にチェック
4)[アカウントを解約]をタップ
Walletの利用を終わりにしたいという方は、上記手順で解約することができる。
- LINE BITMAXのキャンペーンを教えてほしい
-
LINE BITMAXでは、「はじめてみようキャンペーン」などが実施されている。
これは、ウェルカムミッション達成で、LINEの独自通貨であるLINK(リンク)がもらえるというものだ。
その他にも、Amazonギフト券が当たるキャンペーンなども実施しているので、気になる方はぜひLINE BITMAXの公式サイトを訪れてみてほしい。
LINE BITMAXの評判/口コミまとめ
今回は、仮想通貨取引所の1つであるLINE BITMAXの、特徴や評判などを解説した。
- LINE BITMAXは、LINEグループに属する仮想通貨取引所
- 取り扱いのあるすべての銘柄を1円から投資できる
- 専用の取引ツールはなく、LINEアプリの中で取引ができる
- 取引所形式などはなく、中級者・上級者には物足りない面もある
- 口座開設手数料は無料で、申し込みから最短即日で取引を始められる
LINE BITMAXは2019年9月にサービスが開始されたやや後発と言える仮想通貨取引所であり、「かんたん・安心・やさしいを、すべての人に。」を体現したシンプルなサービスを提供することで、他社との違いを示してきた。
特に初心者にとっては使いやすいものとなっているので、この記事を読んで自身に合っていると感じた方は、LINE BITMAXの利用を考えてみてはいかがだろうか。