「仮想通貨FX」とは、レバレッジをかけて暗号資産(仮想通貨)を取引できる「暗号資産CFD」のこと。米ドルや日本円などの法定通貨を投資対象としたFX(外国為替証拠金取引)と取引形態が似ていることから、そのように呼ばれることがある。
仮想通貨FXの基本的な取引の仕組みはFXと変わらないが、細部には異なる部分があり、FXとは違ったメリットやデメリットもある。
そこで今回は仮想通貨FXのメリットやデメリット、仮想通貨FXを始める方法などを解説していく。
仮想通貨FXのサービスを提供している仮想通貨取引所はいくつかあるが、その中でもGMOコインは、使いやすい取引ツールから豊富な14種類の銘柄で仮想通貨FX取引が可能だ。
仮想通貨FXに興味がある方は、ぜひこの機会にGMOコイン公式サイトを覗いてみてほしい。
仮想通貨/ビットコインFXとは?
FX(外国為替証拠金取引)とは、投資資金(証拠金)を担保にして、その証拠金の金額よりも大きな規模の取引をおこなえる、米ドルや日本円などの法定通貨の値動きを投資対象とした差金決済取引(CFD)のこと。
差金決済取引とは、現物の受け渡しはせず、売買によって生じた価格差のみを損益としてやり取りする取引である。
一方、仮想通貨FXはその名のとおり仮想通貨(暗号資産)の値動きが投資対象で、FXと同じように取引する仕組みの金融商品だ。詳しくは後述するレバレッジの最大倍率など、細かい部分で異なるところはあるが、根本的な取引の仕組みはFXも仮想通貨FXも変わらない。
一般的には暗号資産CFDやレバレッジ取引と呼ばれるもので、FXと似た仕組みの暗号資産取引ということから仮想通貨FXと呼ばれることがあるものだ。
仮想通貨FXの取引形式には、主に「販売所」と「取引所」の2種類があり、一般的には販売所よりも取引所の方が低コストで利用できるようになっている。
販売所 | 取引所 | |
---|---|---|
概要 | 仮想通貨取引所とユーザーの間で取引する | 仮想通貨取引所のユーザー同士で取引する |
メリット | 仕組みがシンプルで、約定力も高い | 販売所よりも取引コストを抑えられる |
デメリット | 取引コスト(スプレッド)が割高である | 必ずしも注文が成立するとは限らない |
仮想通貨FXのメリット
仮想通貨FXには、次のようなメリットがある。
- 最大2倍までレバレッジをかけられる
- 下落相場でも利益を狙える
- 土日祝日も取引ができる
最大2倍までレバレッジをかけられる
仮想通貨FXの最大の利点は、投資資金(証拠金)を担保にして、投資資金の最大2倍規模の取引をおこなえる資金効率の良さだ。
このような、小さな力でより大きなものを動かすことができる仕組みを指す「てこの原理」の英語表記「レバレッジ(Leverage)」から、仮想通貨FXは「暗号資産のレバレッジ取引」と呼ばれることもある。
海外ではルールが異なるが、日本の仮想通貨取引所や証券会社が提供する仮想通貨FX では、日本の法律に基づいて最大2倍までレバレッジをかけられるようになっている。
下落相場でも利益を狙える
現物取引では、暗号資産の現物を買うことからしか取引を始めることができず、買った価格よりも高い価格で売却できなければ売買差益を得ることができない。
一方の仮想通貨FXは、現物の受け渡しをおこなわずに対象となる暗号資産の価格の変動のみを利用して取引するため、価格が下がると思えば売り注文から取引を始めて、売った価格より安い価格で買い戻すことでも売買差益を得られる。
そのため、仮想通貨FXでは上昇相場と下落相場の両方で、利益を狙うチャンスがある。
土日祝日も取引ができる
法定通貨の値動きが取引の対象となるFXでは、原則として土日は外国為替市場で取引がおこなわれていないため、FX会社も休みとなり土日は取引ができない。
一方、暗号資産は24時間365日取引されているため、その価格を取引対象にしている仮想通貨FXも、土日や祝日は一切関係なく取引することが可能だ。
そのため、仮想通貨FXなら平日は忙しいサラリーマンの方でも、土日や祝日にたっぷりと時間を取って取引を楽しむことができる。
仮想通貨FXのデメリット
一方、仮想通貨FXには次のようなデメリットもある。
- 現物のやり取りがないため、仮想通貨を保有することはできない
- インカムゲインを得られない
- ポジションの維持コストがかかる
現物のやり取りがないため、仮想通貨を保有することはできない
現物取引で暗号資産を取引(購入)した場合、純粋な投資として売買差益を狙えるだけでなく、その仮想通貨を決済(売却)せずに買い物やサービスの決済に使ったり、他人に譲渡したりと、さまざまな用途に使用することができる。
しかし、繰り返しになるが、仮想通貨FXでは暗号資産の現物の受け渡しはおこなわずに売買差損のみをやり取りするため、実際に現物を保有することはない。
例えば、仮想通貨FXでビットコインの買いポジションを建ててもビットコインを保有しているわけではないので、当然、買い物やサービスの決済などに使ったりすることもできない点は認識しておきたい。
インカムゲインを得られない
インカムゲインとは、株式や債券などの金融資産を保有している間に得られる収益のこと。
FXにも通貨ペアの金利差から生じる金利調整額が発生するため、金利の安い方の通貨を売って、それよりも金利の高い通貨を買う方向のポジション(建玉)を保有すると、一般的にスワップポイントと呼ばれる金利収益を得ることができる。
しかし、暗号資産には金利がないため、FXのスワップポイントのようなインカムゲインを得ることはできない。これは、現物でも仮想通貨FXでも同じだ。
ポジションの維持コストがかかる
暗号資産の現物取引では、購入した暗号資産を仮想通貨取引所の口座で長期間保有していても、管理するためのコストを徴収されることはない。
しかし、仮想通貨FXでは売りでも買いでも保有しているポジションを翌営業日へ持ち越すたびに、そのポジションを管理する名目で「レバレッジ手数料」と呼ばれるコストが徴収される。
レバレッジ手数料は、営業日が変わるたびに日々発生するコストになるため、仮想通貨FXは長期投資にはあまり適さないと言えるだろう。
仮想通貨FXの始め方
ここからは、仮想通貨FXの始め方を確認しておこう。
仮想通貨FXのサービスを提供している仮想通貨取引所はいくつかあるが、ここではGMOコインを例にして解説していく。
- 仮想通貨取引所などに口座を開設する
- 取引ツールを用意する
- 口座に投資資金(証拠金)を入金する
仮想通貨取引所などに口座を開設する
まずは、仮想通貨FXのサービスを提供している仮想通貨取引所に口座を開設する必要がある。
GMOコインの場合は次のような流れで口座開設を申し込むことができるが、他の仮想通貨取引所でも大まかな手順は変わらない。
- メールアドレスを登録して、アカウントを作成する
- お客様情報・お取引情報を登録する
- 本人確認をおこなう
- 口座開設コードを入力して取引開始
なお、仮想通貨FXは仮想通貨取引所だけでなく、証券会社の中にもサービスを提供しているところがある。
以下の記事では証券会社も含め、仮想通貨FXのサービスを提供しているところを紹介しているので、気になる方はチェックしてみてほしい。
取引ツールを用意する
口座の開設が完了したら、次は実際に仮想通貨FXを取引するための取引ツールを用意しよう。
取引ツールは事業者が独自に提供しているため、対応する端末などはそれぞれで違いがある。GMOコインは仮想通貨FX専用に高機能のスマホツールを提供している。
仮想通貨FXに必要となるツールを用意して、取引の準備をしておこう。
口座に投資資金(証拠金)を入金する
最後に仮想通貨取引所の口座へ投資資金(証拠金)を入金すれば、仮想通貨FXを始めるための準備は完了だ。
GMOコインには「即時入金」と「振込入金」の2つの入金方法がある。入金方法をしっかり確認したうえで、適切な方を選ぼう。
以上、仮想通貨FXの始め方を紹介した。
今回はGMOコインで仮想通貨FXを取引するまでの流れを紹介したが、基本的には他の仮想通貨取引所も同じような流れだ。
どの仮想通貨取引所も口座開設の申込みは無料で、手続きのすべてはネットで完結する。口座が開設されたら、あとは投資資金を入金して取引ツールから取引するだけなので、興味のある人はぜひ仮想通貨FXにチャレンジしてみてほしい。
仮想通貨FXの稼ぎ方・コツ
続いて、仮想通貨FXで稼ぐためのコツを3つ紹介しよう。
- 値ごろ感で取引しないこと
- リスクコントロールを適切におこなうこと
- 損切りを適宜おこなうこと
値ごろ感で取引をしないこと
どの金融商品にも同じことが言えるが、仮想通貨FXも値ごろ感だけで取引をして利益を上げ続けられるような簡単な取引ではない。
利益を積み重ねていくためにはしっかりと値動きの分析をおこない、明確な根拠を持って取引することが必要だ。その値動きの分析方法には、大きく分けて次の2つの種類がある。
テクニカル分析:過去の値動きや相場の方向性(トレンド)などを分析して、将来の値動きを予測する手法
ファンダメンタルズ分析:世界情勢や経済指標などの、将来の価格に影響を及ぼす可能性がある要因を分析して値動きを予測する手法
もちろん、こうした手法を駆使して将来の予測を立てたとしても、その予測が100%的中するわけではない。しかし、値ごろ感などで闇雲に取引をするよりは、勝率が上がる可能性は高まると言えるだろう。
リスクコントロールを適切におこなうこと
仮想通貨FXで稼ぐには、リスクコントロールも大切だ。
仮に100万円の元手で1万円の損失を出したとしても、次回以降でその損失を取り戻すことはさほど難しくないだろう。しかし、もしリスクを取りすぎて50万円の損失を被ったら、元手が50万円に減った状態から100万円まで挽回するのは非常に難しい。特に仮想通貨FXはレバレッジをかけて取引ができる分、投下資金に対する利益や損失の割合が現物取引と比較して大きくなりがちなので注意したい。
一方で損失のリスクを過剰に恐れるあまり、毎回の取引で100円の利益を求めるような取引を繰り返していても、取り返しのつかない損失を被ることはないだろうが、いつまで経っても資産は増えていかないだろう。
問題はバランスで、取引の規模などを自分が許容できるリスクの範囲内に収めつつも、目的の達成に必要なリスクはある程度取れるよう、コントロールしていく必要がある。
損切りを適宜おこなうこと
“稼ぐ”という目的に対して矛盾した行動のように思えるかもしれないが、仮想通貨FXでは損切りを適切におこなうことが、結果的に稼ぐ近道につながる可能性が高い。
もしも含み損の発生しているポジションを保有していた、取れる選択肢は損切りをする、もしくは将来的な値上がりを期待して保有し続けるかしかない。
しかし、デメリットのところで紹介したとおり、仮想通貨FXではポジションを翌営業日へ持ち越すたびにレバレッジ手数料がかかるので、長期保有には向いていない。
また、含み損のポジションを持ち続けていると、そのポジションを保有するための証拠金として資金の一部がロックされる状態になるので、レバレッジをかけて資金効率の良い取り引きができる仮想通貨FXの最大の利点を上手く活かせない可能性もある。
こうした理由から、仮想通貨FXでは損切りすることを戦略的にしっかりと取り入れて、損失をできるだけ抑えて大きな利益を狙う“損小利大”の取引を目指した方が、効率よく資産を増やしていける可能性が高まるだろう。
仮想通貨FXにおすすめの取引所
最後に、仮想通貨FXのサービスを提供している仮想通貨取引所の中から、おすすめの会社を紹介する。
GMOコイン
提供する取引形式 | 現物取引(販売所・取引所) レバレッジ取引 |
レバレッジ取引の取り扱い通貨 | 14種類 |
レバレッジ取引の最小取引数量 (ビットコインの場合) |
新規・決済ともに 0.01 BTC / 回 |
レバレッジ取引の取引手数料 (ビットコインの場合) |
無料 |
レバレッジ倍率 | 最大2倍 |
レバレッジ手数料 | 評価レート × 建玉数量 × 0.04% / 日 |
追加証拠金制度 | 毎営業日(土日祝日を含む)の6:30時点に証拠金維持率が100%を下回った場合、追加証拠金が発生 |
ロスカット水準 | 証拠金維持率≦75% |
公式サイト | GMOコイン公式サイト |
関連記事 | GMOコインの評判・口コミ |
- 豊富な14銘柄で仮想通貨FXができる
- レバレッジ取引以外の関連サービスが豊富
- 高機能の取引ツールを提供
GMOコインは、東証プライム上場のGMOインターネットグループに属している仮想通貨取引所だ。
サービスの充実度が高いことが大きな特徴で、取り扱い通貨は国内最多クラスとなる26種類がそろい、取引のサービスは現物取引とレバレッジ取引が用意されている。
レバレッジ取引では、14種類もの豊富な銘柄を扱っており、高機能のプラットフォームから分析が可能だ。
サービスの内容や充実度はユーザーからも高く評価されていて、オリコン顧客満足度調査では、2年連続で顧客満足度No.1*を獲得した。*2022年 オリコン顧客満足度® 調査 暗号資産取引所 現物取引 第1位
仮想通貨FXの取引をしたい方は、まずGMOコイン公式サイトをチェックしてみてほしい。
トレイダーズ証券
運営会社 | トレイダーズ証券株式会社 (トレイダーズホールディングス株式会社の完全子会社) |
提供する取引形式 | レバレッジ取引 |
5種類(2024年7月時点) BTC/JPY ETH/JPY XRP/JPY LTC/JPY BCH/JPY |
|
最小取引数量 | BTC/JPY:0.001BTC ETH/JPY:0.01ETH |
レバレッジ取引の最大倍率 | 2倍 |
ロスカットについて | 口座内の証拠金維持率が100%未満の際、 100%を上回るまで古い建玉から順次強制決済を行う |
公式サイト | みんなのコイン公式サイト |
関連記事 | みんなのコインの評判 |
トレイーダーズ証券は、FXサービスのLIGHT FXやみんなのFXを提供する証券会社だ。トレイダーズ証券の提供するみんなのコインでは、仮想通貨のCFDサービスを利用できる。
LIGHT FXやみんなのFXといった人気のFXサービスでの実績が豊富で、スマホアプリやPCツールの操作性が高いと評判の会社だ。
各種手数料は無料となっているため、コストをかけずに仮想通貨CFDの取引をしたい方にも最適である。
ビットコインの最低取引数量は0.001BTCであるため、2024年7月時点のレートでは1万円ほどの少額から取引ができる。また、レバレッジをかければ約5,000円程度の証拠金から始めることも可能だ。
現物取引のように買いだけではなく売りからのポジション保有もできるので、下落局面でも収益を見込みたい方はチェックしてみると良いだろう。
マネーパートナーズ(まいにち暗号資産)
名称 | まいにち暗号資産 |
運営会社 | 株式会社マネーパートナーズ |
提供する取引形式 | レバレッジ取引 |
取り扱い銘柄数 | 4種類(2024年7月現在) ビットコイン/円(BTC/JPY) イーサリアム/円(ETH/JPY) ライトコイン/円(LTC/JPY) ビットコインキャッシュ/円(BCH/JPY) |
最小取引数量 |
BTC/JPY:0.001 ETH/JPY:0.01 LTC/JPY:0.01 BCH/JPY:0.01 |
レバレッジ取引の最大倍率 | 2倍 |
レバレッジ取引のロスカット基準 | 証拠金維持率100% |
公式サイト | マネーパートナーズ公式サイト |
関連記事 | マネーパートナーズの評判 |
まいにち暗号資産は、主にFX(外国為替証拠金取引)を取り扱うマネーパートナーズが提供している暗号資産CFDのサービスだ。
ビットコイン含む4種類の銘柄を扱っており、全てレバレッジ取引の対応となっている。売り(short)でのポジションを持つことで収益が見込める。
マネーパートナーズが提供するFXや商品CFDなどの他の口座の間で資金振替や移動が簡単にできるため、仮想通貨だけではなく、外国為替や商品CFDの取引も検討している方にうってつけのサービスと言えるだろう。
取引手数料は無料で、スプレッド分のコストしかかからないので、気になる方はぜひマネーパートナーズ公式サイトをチェックしてみてほしい。
仮想通貨/ビットコインFXに関してよくある質問
ここでは仮想通貨FXに関してよくある質問を解説する。
- 仮想通貨FXはビットコイン以外でもできますか?
- ビットコインFXとFXの違いは何ですか?
- 仮想通貨FXはビットコイン以外でもできますか?
-
ビットコイン以外にも、イーサリアムなどのアルトコインでも仮想通貨FXを行うことができる。
GMOコインならアルトコインを用いた仮想通貨FXを試すことができる。
- ビットコインFXとFXの違いは何ですか?
-
主な違いは、ビットコインFXはビットコインを、FXは米ドルや日本円などの法定通貨を投資対象としている点だ。
加えて、最大レバレッジ倍率や取引時間なども異なるため、自分にあった投資方法を選択することが重要である。
仮想通貨/ビットコインFXのまとめ
今回は仮想通貨FXについて、メリット・デメリットやおすすめの仮想通貨取引所などを紹介した。
- 仮想通貨FXとは、暗号資産CFDやレバレッジ取引と呼ばれている金融商品のこと
- 証拠金を担保にしてレバレッジをかけられる取引方法で、資金効率の良さがメリット
- 仮想通貨FXは最大2倍のレバレッジをかけて取引できるので、通常の取引よりも資金効率の良い取引が可能になる
- レバレッジ手数料がかかるため、長期投資には不向き
仮想通貨FXはレバレッジをかけて取引できることで、実際に投資する資金よりも規模の大きな資金効率の良い取引が可能になる。
ポジションを翌営業日へ持ち越すたびにレバレッジ手数料を支払う必要があるので、長期投資に向かないなどのデメリットもあるが、短期スパンの取引で利益を上げる自信のある方などは、仮想通貨FXだと現物取引以上の成果を得られるかもしれない。
この記事では、仮想通貨FXのサービスを提供している仮想通貨取引所の中からおすすめとして4社を取り上げたが、中でもイチオシは豊富な銘柄を扱っている「GMOコイン」だ。
仮想通貨FXにこれから挑戦しようと考えている方は、ぜひGMOコインのこともこの機会にチェックしてみてほしい。