PYUSD(PayPal USD)は、ペイパル(以下、PayPalと称する)プラットフォーム内で利用されるステーブルコインである。ステーブルコインとは、価格の変動が少なく、実際の資産に裏付けされた仮想通貨(暗号資産)である。
PYUSDは、PayPalが仮想通貨の利用を促進する一環として開発されたもので、イーサリアム(Ethereum)ブロックチェーン上で生成され、米ドルや短期国債などの金融資産によって裏付けられている。
PayPalプラットフォームではPYUSDを使用して、決済手段としてはもちろん、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)といった他の仮想通貨と交換したり、送金したりすることが可能だ。
この記事では、PYUSDの特徴、将来性、注意点などについて詳しく解説する。
・PYUSDは、米ドルの価格に応じて変動するように設計されたステーブルコイン
・イーサリアムブロックチェーン上で実行される
・PYUSDの発行元は、Paxos Trust Companyである
・仮想通貨取引をはじめるなら、国内大手取引所のコインチェックが利用できる
PYUSDは国内仮想通貨取引所での取扱いがないため、まず国内の取引所で元手となる仮想通貨を購入し、海外の取引所で購入するという流れが一般的だ。元手となる仮想通貨の購入は、セキュリティやサポートに定評があるコインチェックを利用できる。
まだ口座をお持ちでないという方は、この機会にコインチェックの公式サイトをチェックしてみてほしい。
PYUSDとは
名称 | PayPal USD(ペイパル・ユーエスディー) |
ティッカーシンボル・通貨単位 | PYUSD |
ローンチ時期 | 2023年8月7日 |
発行上限 | 不明 |
コンセンサスアルゴリズム | Proof of Stake |
価格* | ¥154.99 |
時価総額* | ¥31,424,984,31 |
時価総額ランキング* | 292位 |
取扱いのある主な仮想通貨取引所 | Gate.io、Kraken等。日本国内での取扱いなし |
PayPal USD(PYUSD)は、オンライン決済および送金サービスを提供するPayPalプラットフォーム内で利用できる米ドルにペッグされた仮想通貨である。
米ドルにペッグされた仮想通貨とは、1単位の仮想通貨が1米ドルと等価交換できるように設計された仮想通貨のことを指す。
このような仮想通貨はステーブルコインとして知られ、その価値は米ドルの預金や国債などで裏付けられている。1PYUSDは1米ドルと同等の価値を持つように設計され、PayPalプラットフォーム内で購入および売却が可能だ。
2023年8月に導入されたPYUSDは、今後仮想通貨の普及に大きく貢献することが期待されている。
PYUSDの特徴
仮想通貨の中には、価格が一定で安定している通貨として知られるステーブルコインが存在する。2023年8月、決済サービス大手のPayPalが、PayPalプラットフォーム内で利用できるステーブルコイン・PayPal USD(PYUSD)をローンチした。
1PYUSDは、1米ドルと同等の価値を持つように設計され、PayPalプラットフォーム内で購入および売却が可能だ。
ここからは、そんなPYUSDの特徴について詳しく見ていこう。
ERC-20トークンとして発行
PYUSDは、イーサリアム(Ethereum)ブロックチェーン上の「ERC-20トークン」として発行されており、外部のイーサリアムウォレットやアプリケーションとも互換性がある。
ERC-20は、イーサリアムネットワークで使用されるトークンの標準規格であり、PYUSDはこの規格に従って発行される。このため、PYUSDはイーサリアムネットワーク上で高い互換性と流動性を持つ。
将来的には、スマートコントラクトを活用して、分散型アプリケーション(DApps)や分散型金融(DeFi)サービスに統合される可能性もある。
幅広い分野で採用されているERC-20トークンでの発行により、PYUSDの仮想通貨取引における利便性の向上が期待できる。
パクソス社(Paxos Trust Company)が発行
PYUSDの発行元は、Paxos Trust Compan(以下、パクソス社と称する)である。パクソス社は、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)によって規制された信託会社である。
PYUSDの発行に際して、パクソス社は厳格な規制基準に従っている。たとえば、PYUSDの裏付け資産には、米ドル、短期国債、現金同等物などがあり、顧客の資産はパクソス社の資産と分けて管理されている。
また、資産の裏付けを証明するために、定期的にPYUSDの準備金報告を公開している。
このように、PYUSDはパクソス社による厳格な管理を通じて、高い信頼性と透明性を保っている。
法定通貨とデジタル資産の架け橋
PYUSDは、1PYUSD=1米ドルという等価交換を実現するとともに、ステーブルコインとしての特徴を生かし、法定通貨である米ドルとのスムーズな取引機能を提供する。
また、PYUSDはPayPalアカウントやPayPalウォレットにリンクされており、PayPalユーザーは自身のアカウントからPYUSDを購入したり、交換したりすることができる。
さらに、PYUSDはPayPalが提供する仮想通貨サービスに統合されており、PayPalユーザーはPYUSDを他の仮想通貨と交換したり、PYUSDを使用して商品やサービスを購入したりすることができる。
これにより、PYUSDは法定通貨との取引における障壁を減らし、ユーザーの仮想通貨市場への参入を容易にする役割を果たしている。
PYUSDをきっかけに「これから本格的に仮想通貨取引をしてみたい」という方もおられるだろう。取扱銘柄が多い取引所として知られるコインチェックなら、29種類(2024年4月時点)の仮想通貨の中から自由に取引できるので、自分の好みや目的に合わせてポートフォリオを組むことができる。
PYUSDと同じくステーブルコインに分類されるDAI(ダイ)の取扱いもあるので、ステーブルコインを取引してみたい、という方にもおすすめの取引所だ。
まだ口座をお持ちでないなら、この機会にコインチェックの公式サイトをチェックしてほしい。
PYUSDのリスク
PYUSDは、決済サービス大手のPayPalがローンチした仮想通貨として注目を集めている。また、ステーブルコインとして、法定通貨とのスムーズな取引を実現している。
PYUSDは、ステーブルコインとしてユーザーに利便性を提供する反面、リスクも存在する。
ここでは、そんな PYUSDのリスクについて詳しく解説する。
規制リスク
PYUSDはパクソス社によって発行・管理され、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)の厳格な規制に従っている。
仮想通貨の規制は国や地域によって異なり、米国の規制をクリアしていても、国により状況が変動する可能性がある。ある国では利用できる仮想通貨でも、別の国では取引や決済が禁止されているという可能性があるので注意が必要だ。
国によっては、PYUSDの利用範囲や流動性に影響が出る可能性があることを念頭に利用する必要がある。
ハッキングリスク
PYUSDは、イーサリアムネットワーク上で動作するERC-20トークンだが、ERC-20トークンは、過去に何度もハッキング被害に見舞われている。
たとえば、おもにレンディングやオプション取引サービスを提供するDeFiプロジェクトの「bZx」に起こったハッキング事件では、bZxの開発者のPCがフィッシング攻撃によって侵害され、bZxのプロトコルから約5500万ドル相当の仮想通貨が盗まれている。
また、おもにオプション取引サービスを提供するDeFiプロジェクトの「Opyn」は、Opynプロトコルから約37万1000ドル相当が盗まれている。
どちらの事件も、ERC-20トークンの脆弱性が利用されている。
ERC-20トークンとして発行されるPYUSDにも、このようなハッキングリスクは存在しており、このことがPYUSDの価値や安全性に悪影響を及ぼす可能性がある。
信用リスク
PYUSDは、現金や短期米国債などの高い流動性と安全性を持つ資産によって裏付けられている。顧客資産は安全に守られているため、安全性は高い。
また、パクソス社は、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)のライセンスを取得した信託会社であり、顧客の資産を厳格な規制に準拠して保護している。
しかし、パクソス社自体の破産、不正行為や取引先金融機関の破綻などが発生した場合、PYUSDの資産価値が減少したり、価格が下落したりする可能性があるので注意が必要だ。
このように、PYUSDにはステーブルコインとしての魅力的な特徴があるが、リスクも存在するので、PYUSDを利用する際は、これらのリスクを理解した上で、適切な対策を講じることが重要だ。
PYUSDの価格動向
次に、PYUSDの価格動向を見ていこう。以下は、2023年9月から2024年4月までのPYUSD/USDTの価格動向を示したチャートだ。
PYUSDはステーブルコインであるため、1ドル付近を推移する通貨である。チャート上では上下に動いているように見えるが、横軸の数値を見るとそこまで大きな変動は起きていない。
2023年10月までが1ドル付近で推移していたが、2024年に入ってからは0.9998ドルから0.9994ドルを推移している。
PYUSDの将来性
PayPal USD(PYUSD)は、オンライン決済および送金サービスを提供するPayPalプラットフォーム内で利用できる、米ドルにペッグされたステーブルコインである。
ステーブルコインの価値は、米ドルや国債などで裏付けられており、1PYUSDは1米ドルと同等の価値を持つように設計されている。
ここからは、そんなPYUSDの将来性について詳しく解説する。
ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)によって規制
PYUSDは、米国のニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)によって規制されたステーブルコインである。NYDFSは、ニューヨーク州の金融業界に対する規制および監督機関である。
ステーブルコインは通常、裏付け資産にバックアップされた仮想通貨で、価格変動が比較的少ない。PYUSDのように米ドルにペッグされたステーブルコインは、「米ドル連動型ステーブルコイン」と呼ばれる。
PYUSDはNYDFSの厳格な規制に従っており、高い流動性と安全性を持つ資産(現金や短期米国債など)で裏付けられている。
PYUSDは、大手決済プラットフォームで導入されたステーブルコインとして、仮想通貨と法定通貨の架け橋としての役割を果たし、今後のデジタル決済の進化に大きな影響を与える可能性がある。
PayPalのステーブルコインがWeb3.0の普及を推進
PayPalは、国際的な決済サービスを提供する存在として、PayPalプラットフォーム内で利用できるステーブルコインとしてPYUSDを導入した。PYUSDは、米ドルと1:1のペッグに基づいており、Web3.0やデジタルネイティブ環境での支払い方法を提供する。
PayPalは、ERC-20トークンとして発行されることで、自社プラットフォームだけでなく、他の主要取引所、ウォレット、Web3.0アプリとの互換性を確保しており、仮想通貨のエコシステムへ安全で利便性の高いアクセスを提供できるよう取り組んでいる。
また、デジタル資産を普及させるために、消費者と事業者が仮想通貨についての理解を深めるための取り組みを実施し、規制当局とも協力しながら、日々進化する環境に対応している。
このような取り組みを通じて、仮想通貨の社会的な価値を増幅し、仮想通貨が主要な金融サービスとなるきっかけを作る可能性がある。
PYUSDに関してよくある質問
- PYUSDとはなんですか?
-
PYUSD(PayPal USD)は、PayPalプラットフォーム内で利用できるステーブルコインの名称である。PYUSDは、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)の規制のもと、パクソス社が発行し、定期的に監査を実施している。
ステーブルコインとは、法定通貨や商品価格などと連動し、価値が安定するように設計された仮想通貨の一種で、PYUSDは1PYUSDが1米ドルと同じ価値を持つように設計されている。
ユーザーは、PayPalプラットフォーム内でPYUSDを購入したり、他の暗号資産と交換したりすることができる。
- PYUSDの買い方を教えてください
-
PayPalアカウントにログインし、仮想通貨のセクションにアクセスする。PayPalでは、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ビットコインキャッシュ(BCH)、ライトコイン(LTC)の4つがPYUSDと交換できる仮想通貨なので、その中から決済に使用する仮想通貨を選択する。
購入したい数量を入力して、PYUSDを購入する。正常に購入されたら、PYUSDがPayPalのウォレットに反映される。
但し、PYUSDは米国のPayPalユーザーを対象としており、日本では利用できないので注意が必要だ。
PYUSDのまとめ
PayPal USD(PYUSD)は、オンライン決済および送金サービスを提供する米国企業のPayPalプラットフォーム内で利用できる、米ドルにペッグされた仮想通貨である。
1PYUSDは1米ドルと同等の価値を持つように設計され、PayPalプラットフォーム内で購入および売却が可能だ。PYUSDの発行元であるパクソス社は、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)によって規制された信託会社であり、PYUSDは厳格な規制に従って発行されている。
PYUSDの裏付け資産には、米ドル預金、短期国債、現金同等物などがあり、顧客の資産はパクソス社の資産と分けて管理されている。
・PYUSDは、ERC-20トークンとして発行されている
・パクソス社による厳格な発行を通じて、高い信頼性と透明性を確保
・PayPalは、PYUSDを通じて仮想通貨の更なる普及に取り組んでいる
・仮想通貨取引をはじめるなら、コインチェックを利用できる
「PYUSDに興味があるけど、どこで始めればいいかわからない。」という方もあられるだろう。コインチェックは、国内最大級の仮想通貨取引所で、初心者の方でも簡単に取引できる環境を提供している。
高度なセキュリティーも提供しているので、まだ口座をお持ちでないという方は、この機会にコインチェックの公式サイトをチェックしてみてほしい。