QTUM(Qtum / クアンタム)とは、ビットコインとイーサリアムの両方の技術を組み合わせて開発されたブロックチェーン、およびそのネイティブトークンである。
現在の仮想通貨(暗号資産)市場においてもっとも高い時価総額を誇る2銘柄は「ビットコイン」と「イーサリアム」であるが、この2つにはそれぞれ異なる強みがある。
QTUMチェーンは、ビットコインやイーサリアムの長所を取り入れながら、各チェーンの短所については補うように設計されている点において注目されているプロジェクトだ。
今回の記事では、仮想通貨QTUMやQTUMプロジェクトについて詳しく解説していく。
- QTUMネットワークは、ビットコインとイーサリアムの両方の長所を併せ持っている
- QTUMプロジェクトは、ビットコインに活用されているUTXOモデルを採用することで、匿名性の高さを備えている
- QTUMチェーンでは、セキュリティの高さを維持しつつ、イーサリアムのスマートコントラクト機能を利用できる
- セキュリティが高く、スマートコントラクトに対応しているQTUMは、ビジネスに適した設計のブロックチェーン
- 仮想通貨QTUMは、国内大手取引所ビットバンクにて取り扱われている
仮想通貨QTUMは国内でも注目されており、国内のいくつかの取引所には既に上場している。
例えば、ビットバンクでは販売所形式または取引所形式にて、仮想通貨QTUMを取引することができる。
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仮想通貨QTUM(Qtum/クアンタム)とは
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名称 | Qtum / クアンタム |
---|---|
ティッカーシンボル・通貨単位 | QTUM |
最大供給量* | 107,822,406.25枚 |
価格* | 479.09円 |
時価総額* | ¥50,551,728,095円 |
時価総額ランキング* | 149位 |
取り扱いのある主な仮想通貨取引所 | ビットバンク コインチェック GMOコイン BitTrade OKJ |
QTUMとは、ビットコインの安全性とイーサリアムのスマートコントラクト機能を組み合わせた、ビジネス向けのブロックチェーン、およびそのネイティブトークンである。
QTUMプロジェクトは、2016年にシンガポールを拠点とするクアンタムチェーン財団(Qtum Chain Foundation)によって開発された。
2017年3月に実施されたICO(Initial Coin Offering)では、1億QTUMを最初に発行し、そのうちの51%が個人投資家など一般向けに販売され、約1,560万ドルの調達に成功した。
そして、その半年後となる2017年9月13日(火)には、QTUMメインネットをリリースした。
QTUMの最大供給量は107,822,406.25QTUMと決まっており、2045年まで発行され、それ以降は新規発行は行われなくなるとされている。
現在、仮想通貨QTUMはビットバンクなど国内の複数の取引所にて取り扱われている、人気通貨のうちの一つである。
仮想通貨QTUM(Qtum/クアンタム)の特徴
まずは、仮想通貨QTUMの特徴を確認しておこう。
仮想通貨QTUMには、以下のような特徴がある。
- ビットコインとイーサリアムの長所を組み合わせた設計
- ビットコインとイーサリアムが抱える課題の解決を目指した設計
- 低コストかつスケーラブルなスマートコントラクト
ビットコインとイーサリアムの長所を組み合わせた設計
仮想通貨QTUMをネイティブトークンとするQTUMチェーンの最大の特徴は、時価総額トップ2のブロックチェーンプロジェクトであるビットコインとイーサリアムの技術的利点を組み合わせているという点である。
QTUMチェーンは、ビットコインのUTXO(Unspent Transaction Output)モデルと、イーサリアムのスマートコントラクト機能を統合して開発された。
これにより、高いセキュリティと柔軟な契約の自動化を同時に実現している。
UTXOによる高い匿名性
まずは、QTUMプロジェクトが採用したビットコインの長所について見てみよう。
QTUMは、残高の管理方式としてビットコインが採用したUTXOモデルを導入し、これにより高い匿名性を確保している。
なお、イーサリアムではアカウントベースモデルが採用されており、各アカウントの残高を更新する形でトランザクションの管理が行われている。
UTXOモデルでは、各トランザクションが過去の取引と結びついており、取引履歴を追跡することが難しく、プライバシー保護の観点において優れていると考えられている。
スマートコントラクトの実装
次に、QTUMプロジェクトが取り入れたイーサリアムの長所も、詳しく説明する。
QTUMは、イーサリアムのスマートコントラクト機能を実装しており、事前に定義された条件が満たされると、自動的に契約や価値の移転がおこなわれる仕組みとなっている。
これにより、第三者を介さずに、効率的に取引を行うことが可能となる。
ビットコインとイーサリアムが抱える課題の解決を目指した設計
QTUMチェーンはビットコインとイーサリアムの長所を組み合わせただけでなく、それぞれのチェーンが抱える課題の解決も目指している。
ビットコインチェーンではスマートコントラクトに不向きという点が、イーサリアムチェーンではアップグレードにおける非効率性という点が、懸念点として挙げられる。
QTUMプロジェクトは、Account Abstraction Layer(AAL)とDecentralized Governance Protocol(DGP)という2つの独自技術を活用し、これらの課題の解決を目指している。
Account Abstraction Layer(AAL)
ビットコインで採用されているUTXOは、プライバシー保護の観点で強みを持つ残高管理方式ではあるが、イーサリアムのような柔軟性の高いスマートコントラクトには向いていないという課題があった。
そこで、QTUMプロジェクトは、Ethereum Virtual Machine(EVM)を統合することを目的とし、「アカウント抽象化レイヤー」を意味する「Account Abstraction Layer(以下、「AAL」)」という独自の技術を開発し、イーサリアムのように柔軟にスマートコントラクトが開発できる環境を実現した。
このように、QTUMプロジェクトは、AALを導入してビットコインのUTXOをスマートコントラクト向けに改良することで、ビットコインの弱点の克服を目指している。
Decentralized Governance Protocol(DGP)
さらに、イーサリアムQTUMはイーサリアムチェーンの課題の解決を目指し、「Decentralized Governance Protocol(以下、「DGP」)」という独自技術も開発した。
DGPとは日本語で「分散型ガバナンスプロトコル」と訳され、ネットワークを効率化するための仕組みを指す。
イーサリアムチェーンにおいて、ブロックサイズやガス代などのネットワークパラメータを変更するには、基本的に「ハードフォーク」と呼ばれるネットワークの大規模アップグレードが必要となる。
ハードフォークなどのアップグレードを実行するには開発者やマイナーなど主要関係者が議論する必要があるため、プロセスが長期化してしまい柔軟に進まない場合がある。
QTUMチェーンはDGPを導入することで、ブロックチェーンをハードフォークすることなくパラメータを変更できるようにし、ブロックサイズやガス代などネットワークの重要な部分にスムーズに変更を加えることを可能にした。
ただし、すべての変更がハードフォークなしで実現するわけではない。たとえば、2021年4月30日(金)や2023年11月27日(月)にはQTUMチェーンのハードフォークが実施された。
低コストかつスケーラブルなスマートコントラクト
QTUMは、Proof of Stake(PoS)の改良版であるMutualized Proof of Stake(MPoS)を採用し、低コストでスケーラブルなスマートコントラクトを提供している。
「Mutualized」とは「相互化された」「全員で共有された」といった状態を意味しており、MPoSは、ブロック報酬の即時支払いを防ぎ、報酬の公平な分配を実現することで、ネットワークの安定性を向上させる仕組みである。
MPoSの特徴は、ブロックを生成したバリデーター(トランザクションの検証やブロックの作成を担当するノード)は報酬を500ブロック遅れで受け取り、報酬の一部はネットワークに参加している他のノードにも分配される点である。
※ノードとは、ブロックチェーンネットワークにおいて、データのやり取りや取引の検証などをおこなうコンピュータやプログラムを指す。
これにより、特定のバリデーターによる報酬の独占を防ぎ、公平性が保たれ、ネットワークの分散化が促進される。
PoSおよびMPoSにおいてはProof of Work(PoW)のような高性能なマイニング機器を必要としないため、低コストでノード運営が可能だ。
さらに、PoWと異なり、ブロック生成が一定の間隔で行われるため、ネットワークの負荷が平準化され、スケーラビリティが向上する。
仮想通貨QTUM(Qtum/クアンタム)の価格動向
次に、仮想通貨QTUMの価格動向について確認しておこう。
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仮想通貨QTUMは2017年10月上旬時点では約10.2USDTほどの価格で取引されていたが、同年末に急騰し始め、2018年1月には62.2USDTを記録し、約6倍になった。
2018年1月に最高値を記録したのちに急落し、同年6月には2017年10月の水準まで下落し、そのまま10USDTを割り込むことになる。
同年7月から2020年末までは大きな動きはなく、1USDT~5USDTの範囲での値動きが続いた。
2021年にようやく長いレンジ相場を抜け、強い上昇トレンドを形成し、同年5月に27.3USDTを記録したが、その後失速する。
2022年以降は再びレンジ相場を形成し、現在に至るまで2USDT~5USDTほどで推移している。
このように、仮想通貨QTUMは2018年と2021年に価格の急騰を経験したが、最近では大きく価格が変動する局面は見られていない。
仮想通貨QTUM(Qtum/クアンタム)の将来性
次に、仮想通貨QTUMの将来性について、以下の観点で考察していく。
- 国内の取り扱いが拡大している
- 「ビジネス向け」のブロックチェーン
国内の取り扱いが拡大している
QTUMは、国内のいくつかの暗号資産取引所でも取り扱われており、日本市場でも一定の評価を得ている。
2020年3月にはコインチェックがQTUMの取り扱いを国内で初めて開始し、その後も複数の取引所に上場している。
上場日時 | 国内取引所名称 | 取引形式 |
---|---|---|
2020年3月12日(木) | コインチェック | 販売所、取引所 |
2021年1月27日(水) | ビットバンク | 販売所、取引所 |
2022年3月14日(月) | OKJ | 取引所、販売所 |
2022年3月30日(水) | GMOコイン | 取引所、販売所(※1) |
2022年4月15日(金) | BitTrade(※2) | 販売所 |
(※2)上場当時のサービス名は「フォビジャパン」であり、2023年4月21日(木)、「BitTrade」にサービス名変更
今後、さらなる取引所への上場やプロジェクトの進展により、国内市場での認知度が高まることが期待される。
「ビジネス向け」のブロックチェーン
QTUMチェーンは、以下の点において「ビジネス向け」のブロックチェーンとされている。
- 高いセキュリティ
ビットコインのUTXOモデルを採用することで、取引の追跡と管理が容易になるため、セキュリティ面での信頼性が高い。
- スマートコントラクトの実装
イーサリアムのスマートコントラクト機能を統合することで、契約の自動化や複雑なビジネスロジックの実装が可能となり、業務が効率化する。
- モバイル対応の利便性
ライトウォレット(最低限のデータのみを利用して取引を管理できるウォレット)の導入により、スマートフォンやタブレットからのアクセスが容易で、モバイル環境での利用がしやすい。
QTUMチェーンは、ビットコインのUTXOモデルとイーサリアムのスマートコントラクト機能を組み合わせることで、セキュリティと柔軟性を両立させ、ビジネス用途に適したプラットフォームを提供している。
また、モバイル環境でも快適に動作するため、場所や時間にとらわれずに効率的に業務を進めることができる。
このように、ビジネスに向いている設計であるQTUMチェーンは、今後、ブロックチェーンを活用した事業が増えるにつれて、需要が高まる可能性があるだろう。
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仮想通貨QTUM(Qtum/クアンタム)のリスク・注意点
ここで、仮想通貨QTUMのリスク・注意点についても確認しておこう。
仮想通貨QTUMへの投資を検討している人は、ここから説明する点について理解しておくと良いだろう。
上場廃止となる場合がある
仮想通貨QTUMは、アルトコインの中でも比較的リスクの高い銘柄と考えられる。
国内取引所のBitTradeでは、かつてQTUMが取り扱われていたが、2024年10月21日(月)をもって上場が廃止されることとなった。
上場廃止の理由は、「グローバルでの流動性や取引量等の観点において、安定的なサービスの提供が難しいため」とされている。
さらに、GMOコインでも、2025年3月1日(土)をもって、販売所における仮想通貨QTUMの上場が廃止される予定である。
QMOコインにおける上場廃止の理由も、BitTradeと同様に「グローバルでの流動性不足により、サービス提供に支障が生じる可能性があるため」と述べている。
このように、複数の仮想通貨交換業者が仮想通貨QTUMの上場廃止を決定しているため、市場では比較的不安定な銘柄と判断されていると考えられる。
なお現在のところ、BitTradeの販売所およびGMOコインの取引所においては上場廃止の予定は発表されておらず、引き続き、仮想通貨QTUMの取引が可能である。
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競合との比較
QTUMネットワークは、低コストかつスケーラブルなスマートコントラクトを提供するブロックチェーンであるが、同様の強みを持つ仮想通貨プロジェクトもいくつか存在する。
例として、以下のようなプロジェクトが競合する可能性があるだろう。
- Build and Build(BNB)
もともとBinance Smart Chain(BNC)という名称だったが、のちに名称が変更された。
Binanceが開発したスマートコントラクト対応のブロックチェーンであり、手数料の安さと高速な取引処理が特徴に挙げられる。
QTUMネットワークも低コストかつスケーラブルなスマートコントラクトを提供しており、この点でBNBと競合しうると考えられる。
- Cardano(ADA)
PoS(Proof of Stake)を採用し、学術的なアプローチを重視したブロックチェーンであり、スケーラビリティとセキュリティの向上を目指している。
QTUMもPoSの派生形であるMutualized Proof of Stake(MPoS)のコンセンサスアルゴリズム採用しており、Cardanoとはステーキング市場で競合する可能性がある。
- Solana(SOL)
取引速度の速さとスケーラビリティを重視したブロックチェーンであり、高いTPS(Transactions Per Second、1秒あたりのトランザクション数)を誇る。
QTUMもスケーラブルな設計を目指しており、高速なトランザクション処理を強みとするSolanaと競合する面がある。
上記の中には、エコシステムの規模や知名度、処理性能などの観点においてQTUMよりも優れているプロジェクトも存在するだろう。
一方で、QTUMプロジェクトには、ビットコインとイーサリアムの技術を組み合わせた設計により、ビットコインのように強固なセキュリティを備えながらイーサリアムのようなスマートコントラクト機能を利用できるという、大きなメリットがある。
QTUMプロジェクトが今後どの程度のシェアを獲得できるかは不明だが、ビットコインとイーサリアムのハイブリッドチェーンであるという点において、今後のQTUMプロジェクトの成長には期待できるだろう。
仮想通貨QTUMは、ビットバンクなどの国内の取引所にて購入することができる。
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ビットバンクでは、現物取引やレンディング機能「貸して増やす」など、幅広いサービスが提供されている。
詳細情報については、ビットバンクの公式サイトにて確認しておこう。
仮想通貨QTUM(Qtum/クアンタム)のまとめ
今回の記事では、仮想通貨QTUMについて解説した。
- QTUMネットワークは、ビットコインとイーサリアムそれぞれの特性を掛け合わせて開発された
- QTUMプロジェクトでは、ビットコインとイーサリアムの短所を補うことができるよう設計されている
- QTUMプロジェクトには、AALとDGPという独自技術が活用されている
- QTUMチェーンの強みは、低コストでありながら高いスケーラビリティを可能にする点である
QTUMは、ビットコインのUTXOモデルと、イーサリアムのスマートコントラクト機能を融合させた、革新的なブロックチェーンプロジェクトである。
QTUMプロジェクトのネイティブトークンである仮想通貨QTUMは、すでに複数の国内取引所に上場しており、国内で気軽に取引することが可能だ。
「仮想通貨QTUMを取引したいが、どの取引所を選ぶべきかわからない」という人は、初心者から上級者まで幅広いユーザーを抱えているビットバンクを検討してみていただきたい。
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ビットバンクならセキュリティが高く、取引経験がない人でも安心して仮想通貨を取引できるだろう。
この機会に、ビットバンクの公式サイトをチェックしてみてはいかがだろうか。
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