ことの発端は「娘が指定校推薦でFラン大を受験することに。落ちてほしい」という旨の、ある視聴者からの切実な投稿だ。天童さんは、この投稿への肯定・否定の双方の意見を並べた動画を公開。これに寄せられた他の保護者たちのコメントを新たな動画で紹介しながら、共感の言葉や助言などを送る。
子どもが高校時代、努力していたか否かで親の反応は分かれる
天童さんは、「非常に納得できる」コメントだとして、以下のように、子どもの学習状況によって3つのパターンに分けた見解を挙げた。
①高校で勉強の努力が見えない場合:高校の段階でがんばれない子どもは、大学でがんばるのも難しいとする厳しい意見。行くなら学費は奨学金(自分で返済)で、と子どもに覚悟を求める。
②十分に努力した上での結果の場合:大学での学力の伸びは難しいと判断し、現実的な案として専門学校や資格系への進路を薦める。
③進学の理由が大学の内容・カリキュラムの場合:子どもの本気度を見極めるために、英検や奨学生枠へのチャレンジを提案する。
①について天童さんは、勉強の強制力が高校より大学で薄くなることを指摘した上で同意。また、②に関しても賛同する。天童さんは、大学進学の意味は「学歴・資格・技術・知識」のいずれかを得ることにあるという。偏差値が低い大学で「学歴ブランド」を得にくいなら、残りの3つのうちのどれかを確実に得られる進路に進むべき、という考えだ。
さらに③については、学費の大きさに触れ、大学で得られるものや価値について、親子でしっかり話すべきだと語る。
大学に行く場合、文系ならば4年間で約500万円、理系ならば約600万円かかり、高級な車を買うのと一緒。高級な車を買う場合、パンフレットを見たり、試乗したりするなどして根を詰めて考える。大学も一緒で、それだけの学費をかけた大学で得られるものが何であるのか、親子でじっくりと考えるべきだとしている。
子どもの意思やがんばりが親の思いを左右する
コメントの中には、子どもの進学理由によって、冒頭で紹介した投稿と同じく「K-POPを学ぶ大学などに行くと子どもが言ったら、私が親ならば試験に落ちてほしい」という気持ちになる、というものもある。コメントに対し天童さんは、親が納得できる理由でないと「行かせたくない」というのが正直な気持ち、また、子どもが妥協して現実的な選択をしたのではないかと考えると、親も複雑な思いになる、と理解を示す。
「この偏差値ライン以下の大学ならば学費を出さない。行くなら自分で学費を賄うこと」という考え方を伝えるコメントも。天童さんは、「実際、保護者によっては日東駒専以下ならば学費は出さないという方もいる」という。親がラインを決めて伝えるのは、実は子どもの発奮やがんばりを望むからだろうと解説する。そしてこうも続けた。「コツコツがんばってもそこしか行けないのなら、こんなふうに思わない」とも付け加えられていた。結局のところ、子どものがんばり次第で親の考えも変わり、学費を出すこともあるのではないか、という見方をしている。
大学のランク付けの問題と併願校の選び方
続く視聴者のコメントは、大学のランク付け(格付け)に対する社会の目の厳しさや、現状への違和感に触れたもの。天童さんは、大学のランク付けが強くなる流れの中で、「学歴ブランドを得ることが多くの子どもの進学理由」になっていると述べる。一方で、必ずしもすべての子どもが希望の学歴を得られるわけではない、努力と大学のランクは一致しない、というのが現実だ。
そして、「第一志望の大学は偏差値の高さで選んでも、併願校は偏差値以外の基準をもって選んだ方がいい」と助言する。先に挙げた資格・技術・知識といった大学の中身で進学する意味を見つけられれば、もし第一志望に届かなかった場合でも前向きに学びやすい、というのが理由だ。
 
出願の締め切りの順番が選択肢を狭める現状
最後に紹介されたのは、受験の締切順が「総合型→公募→指定校またはスポーツ推薦→一般」であれば、子どもの受験のチャンスが増え、未来も広がるのに…、というコメント。確かに、提示された順番なら、挑戦と保険(確約)の両立が図れて受験生にとっては有利、と天童さんもいう。現状は指定校の校内選考が早いため、挑戦前に第一希望の大学でなくても指定校で学校を決めてしまうこともあり、結果的に子どもの選択肢を狭める可能性がある、と指摘した。
まとめ
子どもが選んだ「低偏差値」の大学を、親が受け入れられるかどうかは、やはり子どもの意思によるところが大きい。子どもの覚悟や姿勢次第で対応が決まってくるという、親の本音が浮かび上がる。偏差値が高くない大学でも、本人が学びたいことが学べるとか、資格がとれるとかそういった理由があれば、親も納得をする。また、天童さんによって、進学先の判断には、親子での話し合いや進学の意味を踏まえた選択が大事だと示された。(次ページに解説動画あり)


 
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
    