情報:サブ科目の難易度をどう見るか?
中橋さんが、科目別で一番難化しそうだと挙げたのが「情報」です。去年の平均点が高かったために下げに来る可能性や、2年目から下がるジンクス、予想問題集が増えて「難しくしてもいける」と判断されるのでは、などの理由から“怖い”と見ます。
一方、小林さんは、難しくなるとしても「少し」という予想。情報で合否をつけたい大学は多くない、サブ科目の失点が原因で国立大学を受けられない事態は避けたいはず、として、大幅な難化には懐疑的な意見です。
社会:新課程入試2年目の影響は?
次に、中橋さんがやや難化しそうだと予想した科目は「社会」。様子見の前回より、新課程らしさをはっきり出すために解きづらくなる可能性があるのでは、という考えを示します。
小林さんは、難易度自体はあまり変わらないのでは、という見立てです。理由は、新課程は「考えさせる」方向に行くため。受験生にとって本当に厳しいのは年代暗記のような細かい知識問題であり、そこに踏み込まなければ、難度はあまり変わらないのでは、といいます。加えて、社会は世の中からの「注目度が低い」中で、作問側に「やらかすメリットがない」と推測します。
ただし、サンプルが少ない「公共」は注意が必要、とのこと。普段安定して高得点の受験生が少し落とす程度のリスクはあり得る、と言及します。
数学:ピンポイントの分野で調整される可能性
中橋さんが、ピンポイントでやや難化を予想するのが、「数学」ⅡBCの「複素数平面」です。前年は「様子見感が強かった」と捉え、2026年度は本来想定している難易度に寄せる形で、少し上げられるのでは、と語られます。複素数平面は、他分野と難度を合わせやすく、少し難しくしても怒られにくい部分だという理由が示されます。
理科:化学の難しさはこのままなのか?
予測というより、中橋さんの「祈り」として取り上げられたのが「理科」の化学です。物理・生物は簡単な年もあれば難しい年もある一方で、化学は難しすぎるのでは、とずっと感じているという中橋さん。やたら難しい問題があり、他科目と比べて不公平に感じる、との問題意識が語られます。そろそろ難易度調整が入る可能性を示唆しつつ、とはいえ、「今年かどうかは分からない」として断定は避けられます。
それに対し、小林さんは、あまり変わらない気がする、という見方。点が取れる子は取れている、というのが作問側の言い訳になり得る、と推測します。
国語:注意したい実用文の難化
文系科目では「国語」が要注意と、小林さんは指摘します。注意したいのは、グラフなどの情報処理が絡んでくる「実用文」。小林さんは、情報処理を「一次元(点を見る)→二次元(線を見る)→三次元(立体的に捉える)」という段階で難度を表現し、問題を難しくするなら三次元的な読みを要求する、と説明します。前年は「一次元+二次元が少し」という問題でしたが、2026年度は慣れを見越して二次元中心、もしくは三次元的な問題が出る可能性がある、と注意を促します。
ただし、平均点が大きく崩れるほどではない、という考え。古典の方を固める重要性にも触れて、過度な不安を抑えています。
英語:形式より文章の難度による微調整
英語については、調整しやすい科目でもあり、前回の状況を受け、少し難化くらいはあり得る、と予測する小林さん。形式そのものが大きく変わる可能性は低く、文章の難度による調整、というイメージが共有されます。予想問題の復習にしっかり取り組めば、過度に恐れる必要はない、とまとめ、対策しやすい科目として位置づけられます。
共通テスト全体の難易度と意識したい対策
共通テスト全体としては「少し難化」と予想。前年に平均点が上がった分、少し下げる可能性が示されます。
ただし、重要なのは、普段の演習で「これが標準的な難易度」というベースラインを自分の中に作ること。中橋さんは、そう受験生にメッセージを送ります。本番で想定外に難しい問題が出たときに、「満点を取らなきゃ」と硬くならず、「8割取れればいい」と切り替えられるかがカギ、という指摘です。
小林さんも、メンタル面は大事と同意。難しい年の問題を解いて「こういう年もある」というシミュレーションをしたり、ある分野で崩れても次の分野で引きずらないリセットの訓練をしたりすることが役立つ、と話します。
まとめ
2026年度の共通テストは、科目によって違いはあるものの、全体として「少し難化」という予想。ただ、最終的に、一番大事なのは、予想を聞いて一喜一憂するより、しっかり対策をすることだとまとめられます。高校1・2年生には同日受験を促しつつ、受験生には対策に「がんばって取り組んでほしい」とエールが送られています。(次ページに解説動画あり)
