ネット上の評価が軽視を生んでいる法政大学

受験生が難易度を勘違いしがちな大学_法政大学
受験生が難易度を勘違いする理由とは?

 最初に中橋さんが挙げたのは、簡単だと思っている受験生があまりに多いという法政大学です。しかし、実際に問題を見れば難しく、少なくともMARCHの中で法政大学だけ明らかに簡単、という印象にはならないはずだと述べます。ただ、MARCHの中では社会評価が下がり気味に見られることを指摘。

 それに対し、小林さんは、法政大学が悪いというより「ネットが悪い」と繰り返します。MARCHに関するインターネット上の評価が時期によって変わっていく一方で、法政大学だけは最後まで謎のプライドによる「余裕」扱いが残るという状況を説明。ネット上の評価が軽視を生んでいる、と見ています。

難易度がわかりにくい私立大学医学部

 次に中橋さんが挙げたのは、私立大学医学部です。難易度を甘く見る上位層もいるものの、逆に大きく捉えすぎる受験生もいる、といいます。全大学が早慶の理工と同じくらい難しいというイメージを持たれることがありますが、実際には早慶より難しい大学もあれば、そうでない大学もある、とのこと。中橋さんは、二次試験の面接や小論文で落ちるケースを例に挙げ、私立大学医学部の難易度は良くも悪くもわかりづらいことを理由に示しています。

 そして、受験生には、難易度がわかりづらいからこそ、わかる努力をした方がいいと助言。先輩に聞いたり、無料の説明会に参加したり、自身の動画チャンネルも含め、情報収集することを勧めています。

合否の分散が大きく誤解されがちなSFC

 続いて中橋さんは、難易度が軽く見られがちな大学として、SFC(慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス)を挙げます。問題や小論文の性質を見ると簡単ではなく、昔の感覚で「簡単」と思ってしまうのは上の世代に多いのではないか、と述べます。

 小林さんは、甘く見て、実際に受かっている人がいることに言及。SFCは、他の難関大学に受かっても落ちる受験生もいれば、あまり勉強せずに小論文で受かる受験生もいる、と分散の大きさを指摘します。後者の例により「SFCならワンチャン」という空気が生まれ、毎年“ワンチャン勢”が押し寄せて、中には合格するケースも出てくる、と説明。ただし同時に、真剣に対策しても報われにくい大学でもあり、難易度が見えづらい代表例としています。

上位層が距離感を見誤りやすい国立大学

 国立大学の話題で、中橋さんが挙げたのは千葉大学です。千葉大学なら「ギリ届く」と思う人が多く、「舐められがち」だと問題を提起します。

「舐められがち」という言葉を受けて、小林さんが挙げたのは自身の地元だという埼玉大学。埼玉大学は横浜国立大学や千葉大学のようなプレゼンスがあまりなく、「埼大」といっても時に伝わらない、といいます。千葉大学については、甘く見ているのは上位層で、一般的には第一志望とする人が多いというイメージを共有。

 中橋さんは、上位層の受験生、特に理系では「筑波大学・横浜国立大学なら行ってもいいが、千葉大学だと行ってはいけない」といった線引きをする人がいる、と付け加えます。

現在の情勢的に身近になりすぎた東京大学

 東京大学についても「舐められている」と懸念を示す中橋さん。理由には、東大出身者の露出が増えた状況から、本来はプロ野球選手を見るような距離感に該当するはずなのに、身近に感じすぎてしまうことを挙げます。東大出身者である小林さんも、SNSで簡単に接触できる距離感になったことを指摘して同意。

 中橋さんは、今の世の中の情勢として、遠い存在を簡単に舐めてしまう傾向にある、といいます。その上で、東大は「高校3年間の生活を全部捧げても相当厳しい大学」だと述べ、視聴者には難しさを理解し直してほしい、と再認識を促しています。

両極端な評価をされることがある東京科学大学

 最後に中橋さんが挙げたのは、東京科学大学です。舐めている人がいる反動で極端に高く評価する人もいる、とし、評価が両極端になりやすいと話します。

 東京科学大学は「理系の東京大学」といった表現がされることもあるものの、個人的な感覚としてそれには違和感がある、という中橋さん。東京大学と東京科学大学の間には大きな壁があるということを知っておくべき、と受験生に伝えます。

難易度の勘違いに関する注意点と対策

 具体的な大学を挙げた上で、中橋さんは、志望校選びで危ないのは難易度の勘違いによって進路を誤ることだと述べます。実際のところは、問題を見たり偏差値を確認したりして、判断することが重要だと強調。

 小林さんもまた、YouTubeやSNSの「偏差値いくつから受かった」といった話を鵜呑みにしないことが大切だと念を押します。対策としては、リアルな模試を受け、自分の偏差値を見た上で目指すところを決めていくことを勧めています。

まとめ

 今回の動画では、受験生が難易度を実際より甘く見たり、逆に大きく捉え過ぎたりと、勘違いしがちな大学が取り上げられました。解説を通し、ネット上の評価やSNSの言葉を頼りにしすぎず、実際の問題そのものや偏差値などを見て判断することが大切だと伝えています。(次ページに解説動画あり)