医学部受験が難しい理由【国公立大学】

医学部受験が難しい理由
医学部の受験はなぜ難しいのか?

 まず国公立大学の医学部受験が難しいのは、当然ながら共通テストの高得点が前提になるため、と切り出す中橋さん。目安として最低でも約80%が必要で、80%で合格するのは二次力が相当に高い人、と話します。今の共通テストの80%は、以前のセンター試験で85%を取るより大変、と指摘。

 小林さんも、昔のように得意科目で満点を取り、苦手科目を補うという戦略が取りにくい、と述べます。科目全体が難化し、得意科目でも約9割取れれば「すごい」と言われるレベルになっている、という説明です。すべての科目で難しくなっていることを受験生や保護者に押さえておいてほしい、といいます。

医学部受験が難しい理由【私立大学】

 私立大学の医学部受験が難しい理由は、情報のなさと費用の問題だと、中橋さんは語ります。情報については、調べても合格最低点すらわかりにくい、とのこと。面接・小論文を含まない一次試験だけの数値や、正規合格のみ、補欠を含む数値などが混在していて、難易度がつかみにくいという状態です。

 学費については、6年間で約4000万円以上になることもあり、受験の選択肢から外しがち、と説明します。基本的に偏差値は約60が必要、約62.5〜65がなければ順当に合格できない、と、学力面での難しさがあるのはもちろんのことです。

 小林さんも、情報の偏りの問題は重ねて強調します。塾や詳しい先生から情報を得る人がいる一方で、情報を持たずに戦う人も…。赤本や一次試験の点数を見て、合格と思い込んだのに、不合格となる人が毎年大勢いる、という現実があるそうです。受験料が1回約6万円かかるのに、よくわからないものと戦う大変さがある、と話します。

独自性が強い医学部の難易度体系と出題傾向

 中橋さんは、他の学部よりも医学部の受験が大変な理由を、もう少し細かく解説していきます。

 まず挙げたのが、医学部の難易度体系は独自性が強いという点です。他学部は、大学ごとの難易度が直線上に並んでいるイメージ。それに対し医学部は、同じ偏差値帯でも出題の傾向や水準が大きく異なり、合う・合わないで合否が左右されやすい、と指摘します。

 情報を持つ人は相性を踏まえて学校を選べる一方、情報が乏しい人ほど偏差値表だけで受験校を決めてしまい、実力があっても不利になる事態が生じやすい、ということです。また、序列があるはずの地方国公立大学にしても、私立大学にしても、情報が集めにくく、受験校選びが難しいという課題も挙げられます。

 小林さんは、医学部に関しては自分で情報を集めるのは「無理」だと明言。医学部の面接で「去年何を聞かれたか」を大学ごとに答えるのは、医学部専門塾などの限られた環境以外では難しい、と率直に伝えます。仮に質問内容が分かっても、合格するには、答え方の練習や小論文の練習が不可欠だと強調します。

医学部の大変さは入学後・卒業後も続く

 また、情報のあるなしは、入学後・卒業後にまで関係してくる、という中橋さん。医学部で問題となりやすい点として、中橋さんが挙げたのは学費の面。知識があれば奨学金などで工面できる可能性がある一方、情報自体がネットで簡単に出てこない、と語ります。

 そして、入学後の人間関係は将来まで影響し得るため、受験校選びを適当にすると後悔につながりやすい、と話します。制度面で気を付けたいのは「地域枠」。「簡単でお金ももらえる」と見えて、誘惑されやすい反面、地域枠によってはデメリットが大きい場合があるとして、注意を喚起しています。

 どの情報も、限られた人にしか集められないというのが、医学部の本当の難しさではないか、と話します。

高校生・中学生が医学部を目指すには?

 医学部を目指す高1生・高2生、あるいは中学生の動き方として、小林さんが「現実的にこれしかない」というのは、やはり勉強や先取り学習です。勉強や先取りを突き詰めていくと、いずれ受験校選びや費用面などで疑問が生じ、壁にぶつかることがあります。塾や先生などの相談先が必要になった時には、投げかけた疑問に対する答えでサポートの質の差を見極めて選ぶのが大切だということです。

 中橋さんもまた、同意見。基本的には勉強を積み、必要な場合は、適切な情報源を活用することを勧めています。

まとめ

 医学部受験の難しさは、「高い学力要件」と「情報格差」の二面から捉えられます。情報のあるなしは、学校選びから受験対策、入学後・卒業後まで影響します。医学部をこれから目指す人は、先取り学習で学力を身につけつつ、必要に応じて情報の得られる環境を整えることが、現実的な方法だと伝えています。(次ページに解説動画あり)