努力が必ずしも報われない、大学受験のリアル

 高田さんは受験生を鼓舞する時に、大学受験が「人生で一番平等な戦い」だと話してきた、といいます。出身高校や家庭環境にかかわらず、やるべきことをやり切れば、試験での一発勝負で逆転することも可能、というのが理由です。

 しかし、一発勝負がゆえに、問題との相性や当日の体調、緊張といった要素に左右される面もあります。がんばって学力を上げてきた受験生が、当日に本来の実力を発揮し切れず、不合格になることも…。そういった現場に、高田さんは武田塾の仕事に携わって以来約10年、何度も立ち会ってきたそうです。それが大学受験のリアルだといい、努力が報われるとは限らないことにはがゆさを感じる、と打ち明けます。

合格者だけが褒められる世の中への違和感

自分を褒めてあげる時間を作ってほしい
大学受験で不合格だった人に伝えたいメッセージとは?

 高田さんは、合格者だけが褒められる世の中への違和感を口にします。合格した人が褒められるのはよいとして、一方で、不合格となった人が褒められることはなかなかありません。合格するだけの実力をつけながら惜しくも結果が出なかった人はたくさんいると思う、と高田さんは話します。入試の問題1つや本人の体調、メンタル面など、条件が少し違えば、結果は変わったかもしれないのです

 だからこそ、「自分が褒めたい」と高田さん。気休めでしかないかもしれないと前置きしつつも、「本当にすごいと思います」と、言葉を送ります。不合格だった人も自分の努力を否定せず、「がんばったな」「大学受験にチャレンジしてよかったな」と自分を褒めてあげる時間をしっかりつくってほしい、と語りかけます。

がんばった日々と成長は自分の確かな財産

 高田さんは、不合格になったからといって、挑戦した事実まで消えるわけではない、と強調。自分を成長させるために日々奮闘した時間は、間違いなく残る、と伝えます。

 過去問で合格点を複数回取れるところまでいった人なら、かなり努力して学力を上げてきたはず。大量の単語や熟語・文法を覚え、数学の公式や解き方をストックし、難関大学に立ち向かえるところまで、日々がんばって努力を重ねてきたと思う、と話します。

 努力してきた時間は、たとえ結果が不合格でも、確かな財産。不合格だった人がその努力までなかったことにされてしまうのは違う、という考え方を示します。

大学受験の経験は次の一歩に必ず役に立つ

 浪人して再チャレンジするにしても、合格した別の大学に進むにしても、今回の経験は絶対に役立つ、と高田さん。再チャレンジする人には、足りなかった部分を見直し、もう1年、さらに成長するチャンスとしてポジティブに捉えてほしい、と述べます。

 一方、別の大学に進学する人には、大学生活の中で新しいチャレンジを見つけてほしい、とのこと。留学・起業・資格試験など、自分が誇れる何かを見つけることで、受験で報われなかった気持ちを挽回してほしい、と伝えます。

 不合格だった人が抱えがちな学歴コンプレックスも、自分が誇れるものを見つけられれば克服できる、悔しいエネルギーは間違いなくプラスになる、と言葉を重ねます。

投げやりにならず、次のステップに進めよう

 高田さんが一番避けてほしいというのは、人生に対して投げやりになること。報われなかったという感情によって生活から活力が奪われると、せっかくがんばってきた日々も無駄になってしまいます。

 だからこそ、そのエネルギーは別の形で昇華させてほしい、と高田さんは訴えかけます。受験を戦い抜いた日々は無駄ではなく、誇っていい時間。がんばった自分を褒めて、少し休憩し、次のステップに進めてほしい、と最後にあらためてメッセージを送っています。

まとめ

 武田塾の高田さんは、大学受験で努力した過程や成長の価値は消えない、と繰り返し、経験を活かして次の一歩を進めることを後押ししています。(次ページに解説動画あり)