早稲田中学校について
東大合格者数は30〜40名を数え、国立大医学部への進学者も多くいます。入試日は2回あり、男子御三家の併願校として人気があります。1895年、大隈重信の教育理念に基づき創立された独立校でしたが、1979年に早稲田大学の系属校となり、約半数の生徒が推薦で早稲田大学に進学しています。
学習面では6年間を2年ずつの3つに分けて、学習の基礎、実力養成、応用力を完成させるカリキュラムを用意し、数学は高2までに終わらせ、英語ではネイティブスピーカーによる英会話を取り入れています。また、社会や理科では体験学習など、観察や実験などの実践的な教育に注力しています。
主要科目以外でも豊かな感性と生きる力を育むため、技術・家庭科などでは実技を中心に実施。例えば魚を1匹さばく包丁の扱いから栄養学までを学ぶほか、音楽では一人ひとりに電子ピアノが用意され、個々のレベルに合わせた実技指導が行われています。学校生活では生徒会活動や委員会、クラブ活動などに活発に取り組んでいます。(松井誠:TOMAS教務企画局 教務本部)
区分 | 私立 |
---|---|
男女校種別 | 男子校 |
入試日 | 第1回 2/1 第2回 2/3 |
住所 |
〒162-8654 東京都新宿区馬場下町62 |
アクセス |
<電車の場合>
<都営バスの場合> |
公式HP | 早稲田中学校・高等学校のHP |
※参照: 早稲田中学校・高等学校のHP
早稲田中学校の入試分析
国語の入試分析
傾向:総合力を問う多彩な設問パターン
文学的文章と説明的文章の2題構成で、知識系、読解系共にあらゆる設問形式を扱う。また、問題量自体は少ないものの、特に書き抜きでは解答を見つけにくくしたり、記述問題では字数を厳しくしたりと、多様な問題への対応力を求める傾向である。
出題:全体的な視点が必要
台湾出身の小説家、東山彰良の文章「或る帰省」『走る?』。問4の記述は難問。うまく50字以内にまとめられるかどうか。続く説明文は、大江健三郎・大江ゆかり『「自分の木」の下で』。勉強法がテーマ。本文のどこに何が書いてあるかを覚えなければ解答に時間がかかる文章で、高度な理解力が求められるものだった。
対策:地道に「国語の王道」を進め
漢字、語句、その他の知識は、直前の対策だけでは厳しいので、普段からテキストでの演習はもちろん、辞書で調べるなどして定着させておくことが大切である。また、読解についても広い視野が求められる。総合力を問われる本校の国語に対応するためには、特に書き抜き・記述問題では、段落ごとの要点をまとめて文章全体の概略を把握する力、選択問題では、答えの想定をした上で選択肢の細部まで吟味し、絞り込む力が必要である。
読解問題 頻出テーマ ベスト3:
1位 文化と学問
2位 その他の人間関係
3位 人としてどう生きるか
算数の入試分析
傾向:図形重視の総合力を試される
大問5題構成で、出題は図形と速さがメインとなるが、その範囲は決して狭くはない。大問前半の小問集合と図形問題を確実に得点し、後半の大問(図形や速さ)の応用では、問題文をよく読みこなし、(1)(2)の問題をできる限り得点に結びつけたい。時間配分に注意し、解ける問題を見極めるセンスを磨いておきたい。
出題:バランスのとれた図形の良問
大問1は計算の工夫、割合、道順。大問2は平面図形の求角、求積、回転体の体積。大問3は通過算。大問4は条件整理。大問5は立方体の切断。速さは昨年の流水算に対し通過算。図形は、昨年は平面図形のみだったが、本年は立体図形も出題。定番の立方体の展開図と切断で、複数切断は手間がかかる。
対策:図形と速さを徹底強化
例年、図形と速さが目立つ問題構成で、特に図形は平面図形、立体図形ともにあらゆるパターンの問題に対応できる総合力を身につけておく必要がある。作図を含め、基礎から応用まで、幅広く取り組み、図形のスペシャリストを目指したい。速さも同様、旅人算、時計算、通過算、流水算、点の移動など、長い問題文をしっかりと読み取り、ダイヤグラムや線分図を使って、はやく正確に解く演習を取り入れて、得意分野に押し上げておきたい。
算数 頻出テーマ ベスト3:
1位 平面図形
2位 立体図形
3位 速さ
社会の入試分析
傾向:知識中心の高度な問題
例年大問3問の構成で、地理・歴史・公民の順に出題される。知識問題が中心で、用語を答える問題、選択肢問題がほとんどだが、用語問題は漢字指定が多い点に注意を要する。図や表、資料を読み解く問題も出題されるが、問われているのはあくまでも知識の正確さと、基礎的な分析力の有無である。
出題:時事問題が多くやや難化したか
昨年は公民分野の出題がほとんどなかったが、本年は大問1が地理と歴史の融合問題、大問2が歴史の問題、大問3が公民の問題の構成となった。大問1の大阪万博についての知識問題はやや難しく、また大問3の働き方改革の問題は、時事的な問題とからめながら幅広い公民の知識が問われており、手ごわい問題と言える。
対策:演習を通して知識事項の徹底を
例年知識問題が中心であり、まずテキストレベルの基礎的事項を徹底させることが大切である。その際、漫然とテキストを見て覚えるのではなく、問題を解きながら自分の知識事項の確かさをチェックしていく姿勢が必要となる。過去問や模試の問題で間違えたものについては、弱点ノートを作って整理しておきたい。時事問題の対策は必須で、単に知識を覚えるのみならず、時代背景やグローバルな視点も押さえておきたい。
社会 頻出テーマ ベスト3:
1位 日本の国土と自然
2位 原始・古代(旧石器~平安)
3位 近代・現代(明治~令和)
理科の入試分析
傾向:知識・分析・計算 総合力が必要
例年、4分野からほぼ均等に出題されている。実験・観察の結果・図・グラフなどを読み取った上で解答する問題が中心。各大問の中を見ると、知識だけで解答可能な問題と高度な分析力や思考力が必要な問題がバランスよく配置されている。計算問題について難度の高い出題が見られるのも本校理科の特徴。
出題:知識問題での失点は禁物
例年通り大問4題での出題。大問1:火山の噴火と噴出物、大問2:モンシロチョウと標識再捕獲法、大問3:気体の化学変化、大問4:熱の伝わり方と省エネ。本校らしく大問3と大問4にレベルの高い計算問題が見られる。各大問とも前半は知識問題等で比較的得点しやすい。ここでの失点は禁物である。
対策:正確な知識と計算力を身につけよう
高いレベルの知識を身につけることが必須。テキストに書かれてある基本知識はもちろんのこと、ニュースで取り上げられる自然現象や科学技術などについても、幅広い知識を身につける貪欲な姿勢が求められる。中和・金属と水溶液の反応など化学系の計算問題のレベルがかなり高いことも本校理科の特徴であり、対策が必要。実験や観察を通して考えさせるタイプの問題演習にも時間をかけてほしい。
理科 頻出テーマ ベスト3:
1位 地震・火山
2位 植物のつくりとはたらき
3位 物の燃え方
早稲田中学校の進路・入試情報
早稲田中学校の進路情報
早稲田中学校は、中高一貫校であるため、ここでは早稲田高等学校の2024年度の大学入試の結果を掲載しています。
大学名 |
合格者数 現役 |
合格者数 浪人 |
---|---|---|
早稲田大学 | 258 | 35 |
慶應義塾大学 | 55 | 22 |
上智大学 | 11 | 1 |
東京理科大学 | 32 | 21 |
明治大学 | 11 | 16 |
青山学院大学 | 2 | 2 |
中央大学 | 5 | 6 |
立教大学 | 3 | 1 |
法政大学 | 2 | 9 |
その他 | 49 | 38 |
学部 |
合格者数 現役 |
合格者数 浪人 |
---|---|---|
政治経済 | 43 | 11 |
法 | 26 | 3 |
文化構想 | 11 | 1 |
文 | 13 | 1 |
教育 | 22 | 3 |
商 | 19 | 1 |
基幹理工 | 42 | 3 |
創造理工 | 22 | 3 |
先進理工 | 25 | 1 |
社会科学 | 25 | 2 |
人間科学 | 7 | 5 |
スポーツ科学 | 0 | 1 |
国際教養 | 3 | 0 |
大学名 |
合格者数 現役 |
合格者数 浪人 |
---|---|---|
東京大学 | 32 | 11 |
京都大学 | 10 | 1 |
一橋大学 | 5 | 0 |
東京工業大学 | 10 | 2 |
北海道大学 | 4 | 1 |
東北大学 | 1 | 1 |
九州大学 | 1 | 0 |
千葉大学 | 3 | 0 |
筑波大学 | 1 | 3 |
その他 | 18 | 4 |
科類 |
合格者数 現役 |
合格者数 浪人 |
---|---|---|
文科一類 | 8 | 2 |
文科二類 | 3 | 2 |
文科三類 | 2 | 2 |
理科一類 | 13 | 3 |
理科二類 | 6 | 2 |
大学名 |
合格者数 現役 |
合格者数 浪人 |
---|---|---|
東京医科歯科大学 | 2 | 0 |
筑波大学 | 0 | 1 |
千葉大学 | 3 | 0 |
慶應義塾大学 | 1 | 1 |
東京慈恵会医科大学 | 1 | 1 |
順天堂大学 | 2 | 0 |
その他 | 27 | 6 |
※参照: 早稲田中学校・高等学校のHP
早稲田中学校の入試情報
早稲田中学校の入試日程・科目
偏差値 |
第1回 65 ※参照: 四谷大塚 |
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入試日程 (2025年度) |
<募集人数> 第1回 男子 200 名 2024年12月20日(金)~2025年1月23日(木)
<入試日程> 第1回 2025年2月1日(土)
|
入試科目 (2025年度) |
4教科(合計200点) 国語(50分/60点) 算数(50分/60点) 理科(30分/40点) 社会(30分/40点) |
※参照: 早稲田中学校・高等学校のHP
早稲田中学校の受験者数・合格者数
2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
---|---|---|---|---|
募集人員(人) | 200 | 200 | 200 | 200 |
出願者(人) | 792 | 756 | 830 | 855 |
受験者(人) | 700 | 662 | 723 | 740 |
合格者(人) | 258 | 238 | 257 | 253 |
実質倍率(倍) | 2.7 | 2.8 | 2.8 | 2.9 |
2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
---|---|---|---|---|
募集人員(人) | 100 | 100 | 100 | 100 |
出願者(人) | 1,271 | 1,318 | 1,391 | 1,460 |
受験者(人) | 842 | 911 | 963 | 1,015 |
合格者(人) | 253 | 250 | 228 | 214 |
実質倍率(倍) | 3.33 | 3.64 | 4.22 | 4.74 |
※森上教育研究所作成資料より
編集協力=福崎剛・フリーライター