受験生が心掛けること
共通テストは、センター試験と異なり、日常生活の中での教科の視点や課題解決がテーマとなるものが多くなる。日常には雑多な情報が転がっており、そこから解決に必要な情報をピックアップして問題を解いていく。これは中学入試でここ最近問われている能力でもある。
加えて、単に覚えているだけでは解けない問題である。この点は、センター試験からも引き継がれているが、共通テストでは思考の転移や類推といった「その場でなんとかする力」も問われていることに留意したい。これは自分の思考をさらに発展させるような出題であるから、過去問を解いて対処するものではなく、その場での勝負になる。だからこそ、落ち着いて対応したいところである。
この週末に共通テストを受ける人たち、これから私立大を受ける人たちにいくつかのアドバイスを。いまから新しい問題集などに手をつけると、分からないことに出合って自信をなくす可能性がある。むしろ、これまでやって積み上げてきた問題集などを見直しながら、理解している問題を中心に確認して、「自分はこれだけのことをやったんだ」という自信を持とう。
そして、試験会場に向かう交通手段を確認する。試験会場を間違えてしまうこともないわけではないので、できれば下見に行っておきたい。そして、試験に出かける時間に合わせて起きるようにしよう。とにかく、自信を持って、普段の自分の実力を出せるように心掛けること。
共通テストを2日にわたって受験する人は、初日の試験を終えたら、ゆっくりと食事をして早めに寝よう。あまり初日のことは振り返らない。振り返りは、共通テストがすべて終わったときにすればいい。受験生のみなさんがこれまで培ってきた実力を十分に発揮できることを心からお祈りするとともに、大いに応援したい。
最後に、2024年度以降に受験生となる在校生にもアドバイスを。24年度入試は、18歳人口は減るものの、受験生の安全志向は高まるとみられ、年内入試はさらに厳しくなるだろう。年明けの一般選抜も視野に入れた備えをしておいた方がいい。
25年度は、新学習指導要領に伴う入試に一変する。教科「情報」が課されるものの、すでに北海道大や徳島大、香川大が合否判定には反映させないと表明したり、浪人生が不利にならないよう配慮するなど、その対応には違いが出ている。大学入試“情報”の変更には、くれぐれも注意しておきたい。
>>次回に続く