
「京都名門女子大」突然の募集停止に大きな衝撃
4月25日、京都ノートルダム女子大学が2026年度以降の学生募集停止を発表。「京都女子、同志社女子と並ぶ京都の名門女子大まで……」という衝撃が走った。25年4月に「女性キャリアデザイン学環」を新しく開設するなど、改組にも取り組んでいた矢先である。
さらに5月に入って、広島女学院大学が27年度に共学化することが明らかになった。そして、川村学園女子大学が、教育学部に続き、26年度からの文学部国際英語学科と生活創造学部の募集停止を発表した。これにより同大学は目白キャンパスから撤退。JR「目白」駅から徒歩2分という絶好の立地も生かすことはできなかった。
26年度はその他にも、岡崎女子大学が共学化し岡崎大学に改称、同じ愛知県内の名古屋柳城女子大学は同年度から学生募集を停止した。学習院女子大学は学習院大学に統合される。
これらに先立ち24年、25年度も複数の女子大学が共学化や募集停止を実施している(次ページ「表1」参照)。短期大学(大半が女子短大)でも募集停止が相次いでおり、学生募集に苦慮する女子大学は後を絶たない。
大学に関する調査を行う豊島継男事務所によると、24年度は、調査した私立女子大学75校のうち59校、実に78.7%が収容定員(1~4年生・一部は5・6年生、編入生の総定員)を満たしておらず、定員割れ状態となっている。
文部科学省は、収容定員の充足率が50%を割る学部がある大学には、新しい学部・学科の設置を認めていない。学部新設という「起死回生の一手」を封じられることで、経営の立て直しが難しくなるのは必至だ。
同省では今後、その設置基準をさらに70%まで引き上げる厳格化案を検討中としている。「表1」に、24年度の収容定員充足率が70%未満の私立女子大学をまとめた。どの大学も収容定員4000人未満の小規模大学で、共学化(一部の学部のみも含む)の実施や募集停止に至る例が目に付く。
冒頭に挙げた京都ノートルダム女子大学の収容定員充足率は61%。同大学理事会が次年度以降の募集停止の議論を始めたのは今年4月に入ってからで、22日に募集停止を正式決定したというから相当な急転回だったことが分かる。
事情を知る関係者は「突然の発表で教職員も驚いたようだった」と述べ、25年度入試では定員割れを食い止めるためにさまざまな施策を講じたものの、志願者数の回復には至らなかったと振り返る。