総合型選抜の面接の目的は「長所探し」

総合型選抜の面接試験の目的は基本的に「受験生の長所探し」だ。数ある大学・学部の中から「4年間ここで学びたい」と手を挙げてくれた受験生である。その意欲に応えるべく「学びの機会を提供したい」という立場で、さまざまな面からプラス要因を探すための面接であることを確認しておきたい。その中から、学ぶ姿勢や目的が大学の理念や研究内容などとより合致する受験生が選ばれる。
ところが、高校の面接指導の現場では、これと逆の目的の面接に向けた対策を講じているケースが少なくない。つまり、企業の採用面接対策と同じように、面接官に与える印象づくりに重きを置き過ぎたり、中には「圧迫面接」に耐えるための指導を行ったりしている例もある。
企業の面接は、長ければ40年間、利益を追求して働く仲間を採用するのだからいや応なく厳しくなる。顧客やステークホルダーに信用を得るのも失うのも人材次第という側面は否定できない。応募者の長所を探す半面、それ以上に欠点や問題点を探る質問も出るだろうし、必然的に立ち居振る舞いなどの所作も採用・不採用を左右する材料になる。
立ち居振る舞いは洗練されているに越したことはない。だが、大学入試の面接は減点法によるあら探しではないので、本題である提出書類の読み込みと適切な自己アピール方法の習得により多くの準備時間を割きたいものだ。