入学金を”すべり止め”と”本命”の双方に納める”慣習”に、文部科学省が投じた一石とは…? (写真はイメージ) PIXTA

受験にかかるおカネ、「入学金を二度払う」は当たり前なの?

 記録的な猛暑日が続いた今年も気が付けば10月、まもなく本格的な受験シーズンの到来である。これから年末にかけて、多くの受験生が一斉に私立大学の受験校選択に入る。保護者としては、子どもの希望がかなうよう祈りつつも、受験料や合格後の納付金といったおカネへの懸念が脳裏をよぎる時期ではないだろうか。

 とりわけ「入学金」の問題は深刻だ。例えば、子どもが国公立大学を第一志望にする場合、多くの親は、“すべり止め”にと先に合格した第二志望の私立大学に入学金を払い、後日、第一志望の国公立大学に合格すれば再び入学金を支払う。その時点で私立に納入したおカネは戻らない。結果として「入学金を二重に払う」事態に陥る。

 これは、入学手続きの期限が大学によって異なるために生じる問題で、典型的な例は、併願する私立大学の入学金納付期限が、本命である国公立大学の合格発表前の2月中に設定されているケースだ。同じことは、私立大学同士の間でも起こっている。特に16年度からの入学定員厳格化で、難関私立大学が繰り上げ合格による入学者数調整を年度末まで行った数年間は、その深刻度合いがさらに増した。

 他にも、年内に行われる総合型選抜、学校推薦型選抜に併願を認める一部の大学が、年明けから始まる他大学の一般選抜合格発表よりも早い時期に入学金納付期限を設定している場合などで、二重払いが発生する可能性も考えられる。