若者グループが調査「入学金二重払いが受験機会の平等を阻害」

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 実際、どれほどの受験生(とその保護者)が、入学金の二重払いを経験しているのだろうか。20代の若者が中心の有志団体「入学金調査プロジェクト」が、24年10~11月、3年以内に大学を受験した大学生1039人に実施したアンケートによれば、87.7%が入学金の二重払いを問題視しており、27%(281人)が二重払いを経験したと回答した(上の図表参照)。

 文部科学省によると、私立大学入学金の平均は24万806円(23年度)、国立大学は28万2000円、公立大学の平均は38万8561円(24年度、地域外居住者)となっている。入学金調査プロジェクトがアンケートを実施したきっかけは、「本当はここ(=第一志望ではない大学・学部)の入試も受けたいが、親に『合格したら入学金を払ってほしい』とは言えない」という、ある受験生の悲痛な声だった。

 アンケートでは、13.6%(141人)が「入学するかわからない段階で入学金を払う可能性のある入試方法を選択肢から外した」と回答しており(上の図表参照)、また、受験の際に二重払いを「考慮した」かつ「支払った」と答えた大学生は30.5%(43人)いた。

 同プロジェクト発起人の五十嵐悠真氏は、「問題の本質は、親に負担をかける二重払いを避けようと受験生が委縮し、受けたい大学・学部を受験すらせずに諦めざるを得ない受験機会の不平等を生む構造にある」と述べる。