中堅大学は「年内増」「年明け減」

 日本、東洋、駒沢、専修、成蹊、成城、明治学院、獨協、國學院の各中堅難易度の大学グループでは、年内入試、年明け入試(一般選抜)が共に増加傾向を示しているのが東洋大学で、特に年内入試の伸びが群を抜く。他大学は、年内入試がプラス、年明け入試が、駒沢大学の0%を除きマイナスの予測となった(5ページのグラフ参照)。

 東洋大学のプラス予測に説明は不要だろう。25年度の「学校推薦入試 基礎学力テスト型」入試は合格率が約10%という狭き門となり、これは先掲の上位大学グループ一般選抜レベルの難易度といえる。

 難関・上位大学グループと同様、中堅大学グループの予測も25年度入試の入試別入学者割合と比較してみた。

 日本、東洋、駒沢、専修の各大学グループの入試別入学者割合は、「一般選抜+共通テスト利用選抜」(年明け入試)が、4大学平均で55.9%、「総合型選抜+公募制・指定校推薦選抜」(年内入試)が同30.2%だった。残り13.9%は「付属校からの進学」という内訳である。

 成蹊、成城、明治学院、獨協、國學院の各大学グループの入試別入学者割合は、「一般+共通テスト」が5大学平均で54.1%、「総合型+公募制・指定校推薦」が同39.2%、「付属校」が同6.7%だった。

 一般選抜による入学者の割合がおよそ60%の難関・上位大学グループと比べると、中堅大学グループの割合は55%前後と若干下がる。これは、東洋大学を除いて「短観」の予測と同じ傾向である。ただし、成城、成城、明治学院、獨協、國學院の各大学グループの年内入試入学者割合は、約40%と他のグループより高くなっている。

 最後に、津田塾、東京女子、日本女子、昭和女子、大妻女子、共立女子、実践女子、東京家政の各首都圏私立女子大学については、グラフ掲載は省略し、「短観」が示した傾向のみを挙げておく。

 年内入試に微増予測が立つ東京女子大学、昭和女子大学を除けば、残り6大学は、年内と年明け共に減少予測である。共学化や募集停止の発表が全国で相次ぐ女子大学の中で、年内入試に増加予測が立った東京女子大学(プラス2.2%)と大妻女子大学(プラス6.5%)は好評価といえるだろう。

 次回は、関西圏の主要大学について、年内入試と年明けの入試志願者数増減予測結果を紹介したい。