26年度年内入試「実際の志願者数」と「短観」を比べてみた

 さらに、26年度の年内入試(公募制推薦入試)の志願者数がすでに判明している一部の大学(教育ジャーナリスト・大学入試アナリスト 石原賢一氏調べ)に関しては、実際の対25年度志願者数増減と「アロー短観」の予測を比較してみた。結果は次の通り。

 京都産業大学「公募制推薦入試」の26年度総志願者数は1万8580人で、25年度比プラス10%。「短観」の年内入試志願者数予測はプラス10.5%だった。

 龍谷大学「公募制推薦」の同志願者数は4万378人で、25年度比プラス23%。「短観」は同プラス7.4%。

 甲南大学「公募制推薦入学試験」の同志願者数は5509人で、25年度比プラス5%。「短観」は同プラス4.3%だった。

 神戸学院大学「公募制推薦入試」の同志願者数は6057人で、25年度比マイナス5%。「短観」は同プラス1.1%。

 追手門学院大学「公募制推薦入試(前期日程)」の同志願者数は2万1920人で、25年度比プラス30%、「短観」は同マイナス4.2%。※後期日程は未集計

 実際には、志願者数は「隔年現象」や「収容定員充足率」「競合大学の浮き沈み」など、さまざまな要因が絡み合いながら決まっていく。

 対して「短観」は、受験に立ち向かう生徒と日々接する高校教員の「あの大学入は何だか増えそうな気がする」という期待感、あるいは「こちらの大学は最近元気がなくて勢いが落ちている」という失望感、さらには「この大学は増えてほしい」という願望といった感情のバロメーターである。

 進路指導の「プロ」が各大学をどのように見ているのか、「主観」をビジュアル化した点で、統計データに基づく他の志願者予想とは性質が異なる。

 今後は、回答に協力いただける教員の母数を増やすとともに、調査・発表時期をより適正化していきたい。