ワンランク上の入試が多い中堅共学校

“ワンランク上”の入試としてまず思い浮かぶのが特待入試である。全体的に一般入試は緩和気味だが、先進特待入試の方は好調な安田学園。1日午後の先進特待第2回も2ケタ増の勢いである。4科か算数単科を選べる開智日本橋学園(特待生)は、男女共に好調で、21年実績を超えそうな流れだ。

 淑徳(スーパー特進東大選抜・特待生第1回)の女子は増加傾向にあるものの、男子が減少気味で、21年並みを確保できるかという状況にある。山手学院(特待選抜)は男女共に大きく緩和気味で、東京都市大学等々力(第1回S特)も微減傾向にある。

“ワンランク上”にはもう一つ、難関大学や理数系を目指すコースの入試もある。構内では男女別学となる国学院大学久我山は、22年の出願状況は全体的に好調である。1日午後のST第1回は21年並みのペースで、実倍率3倍程度を維持しそうだ。このSTは、最難関国公立大や医学部医学科を目指すクラスで、その名はSummiT・StraighT・SpiriTという3つの英単語に由来しているのだという。

 三田国際学園は、1日午前の初回以外はすべて午後入試となっている。1日午後の第2回にはISC(インターナショナルサイエンスクラス)とIC(インターナショナルクラス)という2つの入試がある。ISCはすでに21年実績を大きく超えたが、ICは勢いが弱い。その背景には、22年に新設されるMSTC(メディカルサイエンステクノロジークラス)がある。中2段階でISCの中からこちらへの進級がかなうかもしれない、という設定が人気を呼んでいるようだ。

 次ページの表3では偏差値40台の中位校を取り上げる。これが初回となるのは明治学院(第1回)である。21年の485人・2.76倍に対して、24日現在で398人となっており、前年並みを維持する勢いで進んでいるようだ。

 単独の入試では、1日午後で最多となる900人近い志願者を集めるのが山脇学園(国・算1科)である。算数1科を行う中堅女子校は少しずつ増えているが、湘南白百合のように、国語1科も加えることで多くの受験生を集めることにつながる。

 先行したのが山脇学園だった。21年に前年比215人も増やして、実倍率も3倍に届くまで上昇したこともあり、22年にそれを超えるのは大変だが、それでも前年並みのペースである点がすごい。集合時間は15時。事前連絡をすれば15時45分でも受け入れる。そして試験自体は60分で終わる。赤坂という地の利もあり、受験生への負荷を考えると大変に使い勝手が良い点が受けているのだろう。

 募集人員60人に対して、21年の志願者数・実倍率は、885人・2.94倍(国語560人・3.35倍、算数325人・2.44倍)と、20年の670人・ 2.15倍から大きく伸ばしていた。では、22年の出願状況はどうか。25日現在で、682人(国語450人・算数232人)となっている。