女子校と元女子校がそろう中堅校

 表2には偏差値50台の中堅校が並ぶ。午前に続き午後もという学校の中には、特待生や難関大学を目指すといった“ワンランク上”の入試を設定する例も多く見受けられる。男子校は、先に取り上げた東京都市大学付属(第1回I類)だけで、一転して女子校と元女子校がこのランクでは圧倒的に多くを占めている。

 1日午後が初回となるのは恵泉女学園(第1回)で、2日2回目は午前だが、3日3回目も午後という設定になっている。同じ世田谷区内で徒歩でも移動できる鴎友学園女子との併願は定番である。第1回は25日現在、410人が出願(うち6人は帰国生枠)となっており、引き続き緩和傾向にあるようだ。

 午後に2回目を実施する女子校は、東京女学館(一般学級第2回)と晃華学園(第2回)の出足が鈍く、世田谷区の田園調布学園(午後)は21年並みのペースといった感じである。

 算数1科入試を行う女子校も3校ある。普連土学園(1日午後算数)はすでに20年と21年を超え、300人も超えて絶好調。品川女子学院(算数1教科)も快ペースで、20年水準まで戻す勢いがありそうだ。

 もう1校、湘南白百合学園の算数1教科は、20年に147人を集めたが、21年は99人と大きく減らした。22年は、後述する山脇学園同様、国語1教科を新設したところ、24日時点で135人を集める盛況となっている。算・国で230人を超えており、相乗効果を発揮できたようだ。1日から3日連続で午後入試を行う清泉女学院(2期)は、この湘南白百合の余波か、22年は大きく緩和しており、実倍率も2倍台に戻りそうだ。

 21年に、前年比で190人も増やして実倍率も2倍台に乗せた桐蔭学園(第1回午後)は、その反動で22年は大幅緩和の状況にある。日本大学(A-2日程)は女子の勢いが弱く、21年並みを確保できるかは微妙だ。一方で、青稜(第1回B)は女子が好調で、21年実績を超えそうな勢いである。

 21年開校の姉妹校である広尾学園小石川は、広尾学園との併願が多い。1日午後の第2回本科とISGは、広尾学園に比べればだいぶ入りやすいため、22年も増加基調にある。25日現在の内訳では、第2回の本科296人(男子127人・女子169人)、ISG161人(同50人・111人)と、広尾学園同様に女子がだいぶ多い。