2月1日東京・神奈川の人気入試

 2月は、東京と神奈川を織り交ぜて見ていこう。1日午前で志望者数が増えている入試は、女子に比べると少なめである。22年に489人が受験した男子上位校の海城(1回)が2割強増やしており、実倍率3.0倍がさらに上積みされ、3倍台後半の厳しい入試になるかもしれない。新校舎効果に加えて、理系シフト、中でも医学部合格実績が大きくアピールしている。また、女子の豊島岡女子学園もそうだが、好立地の二番手校には、難関校の併願にもチャレンジ校にもなりうる懐の深さがある。482人が受験した芝(1回)も復調傾向が顕著で、2倍台後半をうかがう情勢だ。

 359人受験のサレジオ学院(A)は1割増で2.2倍だった実倍率が少し上がりそうである。他に男子校としては、329人受験の獨協(1回)がやはり1割増で、海城並みの競争状況になるかもしれない。

 共学校は、女子受験生とは顔ぶれが異なる。2割増の東京電機大学(1回)は実倍率2.9倍が3倍超え確実の勢いであり、2割半増やしている関東学院(一回A)は4倍弱まで上がる可能性が出ている。

 22年の受験生数が100人に満たない入試では、3割増やした広尾学園(1回)が3倍乗せ、女子に比べると圧倒的に入りやすい青山学院横浜英和(A)が、志望者1割半増でも引き続き極めて受けやすい状況にある点が対照的かもしれない。

 1日午後は、午前の倍くらい人気の入試が並んでいる。実倍率1倍台だった入試が2倍を超えるかもしれないという点で、ここで安心の合格を得ておきたい受験生にはいささかの緊張が走るかもしれない。

 男子校は3校しかない。予想倍率が高い入試から見ていくと、1割増の足立学園(特奨1回)は7倍乗せに、2割増の京華(1回午後特選)は5倍台半ばとかなり厳しい競争状況が見えているが、その点、4割増の聖学院(1回特待アドバンスト)は実倍率1.9倍が増えても2倍台半ばほどと、まだ受かりそうな気持ちにさせられる。

 共学校は22年の受験者数が多い順に見ていこう。337人受験の山手学院(特待選抜)は2割増で2倍台半ば、334人受験の関東学院(一回B)は1割半増で2倍台半ば弱、269人受験の桐蔭学園中等教育学校(1回午後)は1割強増で2倍台半ば程度まで、それぞれ予想倍率は上がりそうである。いずれも神奈川では人気の併願先であり、この倍率上昇傾向は、受験生にとっては気がかりかもしれない。

 東京では、308人受験の青稜(1回B)が1割強増やして女子同様に4倍超え、213人受験の東京都市大学等々力(1回S特選・算数)が2割半増で2倍に迫る勢いにある。

 受験者数100人台では、中堅・中位校の高倍率予想も目立つ。日本工業大学駒場(2回)は6割半増で4倍超え、駒込(2回)は2割半増で6倍超えと、併願先としてはハードルが高めである。その点、順天(1回B)は1割半増で2倍台半ば、淑徳(東大1回)は3割半増で2倍超え、多摩大学附属聖ヶ丘(2回)は1割増で1倍台半ば強と、まだマイルドな予想倍率となっている。

 22年受験者数が100人に届かなかった入試では、女子よりも穏やかな倍率の入試がいくつか並んでいる。工学院大学附属(1回B特待)は2割増で2倍台半ば、宝仙学園共学部理数インター(新4科・読書)は1割増で2倍乗せ、武蔵野大学(2回)は1割半増で1倍台半ば、自修館(A2)は5割半増もあって3倍に迫りそうだ。他に、3割半増の東京成徳大学(1回午後)が1倍台半ばというのも比較的受けやすい。