東京都の難関・上位男子校の勢い 

 横浜市以外の神奈川の共学校では湘南学園が好調で、緩和気味の3日[C]2.9倍以外は、2日[B]2.4倍が3倍超え、5日[D]6.2倍も7倍を超え10倍に近づく勢いだったことも。横須賀学院は緩和傾向だが、4日[3回]2倍は少し上積みしそうだ。日本大学藤沢は緩和傾向が続いたが、11月模試になって急に勢いを増している。2日午後[2回]8.6倍、4日[3回]5.6倍はさらに上振れしそうである。

 東海大学付属相模は4日[C]3.5倍が少し増えそうなものの、1日[A]1.3倍はとても受けやすくて受かりやすい状況にある。2023年より全体的にいささか緩和気味の学校としては、慶應義塾湘南藤沢日本大学、そして川崎市中原区にある法政大学第二を挙げておきたい。

 ここからは、やはり2月1日が初日となる東京都内の難関・上位男子校から見ていこう。

 東京男子御三家の武蔵3.1倍は2倍台後半まで緩和しそうだ。一方で、東大合格実績が印象強かった駒場東邦1.9倍は2倍台前半の流れが続いており、受験者増が確実視される。

 23年夏に新校舎が完成した早稲田は、1日[1回]2.8倍が3倍台前半、3日[2回]4.2倍が4倍台後半と、やはり目に見えて受験者数が増えそうだ。一方で、同じ新宿区内のライバル校である海城は、1日[1回]3.4倍が3倍を割りそうで、3日[2回]3.5倍も3倍台前半に緩和しそうである。早稲田大学高等学院3.3倍も3倍を割れそうだ。大学付属校では、立教池袋が2回の入試とも少し緩和しそうだ。

 難関校の併願先として人気の学校はどうか。本郷は1日[1回]3.5倍はさすがに高すぎたようで3倍程度まで、5日[3回]10.7倍も9倍台と少し緩和気味の予想である。一方で、緩和気味だった巣鴨は少し上積み、2日の桐朋[2回]2.1倍も少し増加傾向にある。4日の[2回]3.4倍は大きく緩和で2倍台後半程度をうかがう。

 世田谷区にある男子校はどうか。東京都市大学付属は23年から1日入試に参入した。1日[1回]3倍と3日[3回]3.3倍は、夏の模試で大きく伸びたが、いまは少し落ち着いている。世田谷学園は緩和傾向だった反動からか、各回とも上昇気味だ。特に4日[3回]4.4倍は5倍超えで落ち着きそうである。26年から共学化して校名変更となる日本学園は、24年と25年で男子校としての受験は終わる。卒業する頃には明治大の内部進学枠が用意されているので、お得な学校である。昨年の倍率上昇が激しかった反動で、だいぶ落ち着きを見せており、各回とも緩和傾向にある。とはいえ、いずれも12.7倍だった4日[2回]と5日[3回]は、それでも10倍程度と受かる気があまりしない予想倍率となっている。

 城北攻玉社暁星成城高輪日本大学豊山といった中堅校はいずれも緩和傾向が目立つ。ところが、中位校に近づくと人気上昇の入試も見られる。佼成学園は全体的に伸びており、とりわけ2日午後[2回グローバル・特奨]4倍が5倍以上になるかもしれない。獨協は1日午後[2回]2.6倍が3倍に迫り、2日[3回]3.7倍は4倍超えの勢いだった。

 聖学院は1日[1回]1.9倍が2倍半に、2日[2回]3倍は11月模試では3倍台後半に大きく伸びた。1日午後[1回アドバンスト]2.8倍が緩和気味なのを除くと、2日午後[2回アドバンスト]3.4倍や3日午後[3回午後アドバンスト]2.8倍はそれぞれ3倍台後半と3倍台半ばに伸びている。足立学園も全体的に増加傾向で、2日[2回]3.7倍や4日[4回]3.8倍は6~7倍程度の予想倍率となっている。5日午後[特別奨学5回]1.1倍は増えても1倍台半ば程度とみられる。京華は2日午後[2回特別選抜]1.9倍が緩和気味だが、中高一貫の2日午後[2回]2倍は2倍台後半、3日[3回]2.8倍は3倍台半ばと結構厳しくなりそうだ。