自学自習の定着に注力し
大学合格実績も向上
教科学習の特色は、先を急がず基礎学力をじっくりと定着させることにある。中学では、授業時間数を文部科学省の標準時間よりもかなり厚めにして(週6日7時間制)、基礎5教科には時間的なゆとりを持たせ、高校での大学受験対策につなげている。
重視しているのは、勉強する習慣を早い時期から身に付けること。そのために設けられているのが、「Sラボ」という自習室だ。ここには専任の講師(チューター)が常駐し、学習計画の立案からサポートしてくれる。「その日学んだことをその日のうちに振り返る」ことを目指した自習システムで、学校内で学びを完結させる仕組みである。
「部活の前後に仲間同士で“Sラボに行こう”と誘い合うなど、青稜のカルチャーとしてすっかり根付いています。中学でSラボを使いこなして基礎学力を身に付けた生徒は、高校で大きく伸びていく傾向があります」と青田校長は語る。
24年春の大学合格実績では、国公立大学へ57人、早慶上理ICUに102人、GMARCH・関関同立372人という結果を出した。近年は入学偏差値も上昇しており、今後の伸びが期待されている。「進路に関しては、少し背伸びをした目標を持ってもらいたいと考えています。実力の範囲内で目標を設定したら、それ以上には決して行けない。現状に満足せず挑戦することが大事で、その姿勢は社会に出てから必ず必要になります」。
青田校長は、生徒を基本に考えて寄り添っていく「スチューデントベース」の哲学を持ち、「CHANGE(変化)」「CHALLENGE(挑戦)」「CONTRIBUTION(社会貢献)」の「3C(トリプルC)」を行動目標としている。近年は“6年間で子どもを大きく伸ばしてくれる学校”という評価に加え、“挑戦的で何か面白いことをやってくれる学校”というイメージが醸成されている。変化を恐れず挑戦を楽しむ姿勢が、青稜をさらに魅力のある学校にしている。