大学の学部選びを見据えた
中学からのキャリア教育

 近年、日大豊山が人気校の一つに数えられる理由は、先に述べた男子校としての魅力に加え、95%超の高い現役大学進学率にもある。とりわけ日本大学への進学率は74.3%と高く、全国26校の日大付属校でも群を抜く。日大は医学部から芸術学部まで16学部85学科を有する総合大学。日大医歯薬系学部や国公立大・難関私大を目指す「特進コース」(中3から)を除く、ほとんどの「進学コース」の生徒たちは日大進学を前提としてキャリア構想を組み立てていく。

毎日、校内でネイティブ講師と英会話ができる「フリートーキングプログラム」を実施
自習室は2024年度にリニューアル。ガラス張りで明るい快適な空間に

 日大豊山では早期からキャリア教育に取り組んできた。中1の「職業考察」では多様な職業を調査して社会への関心を育み、中2では企業への「職場訪問」で仕事のリアルを知る。中3では興味ある職業の探究とともに、関連する日大の「学部訪問」を行う。高校では放課後に法学部・経済学部・商学部の一部授業を履修でき、学部進学後に単位認定される制度も用意。ある生徒は法学部の講義に最前列で参加し、作成した課題レポートを嬉々として教員に見せに来たという。

日本大学理工学部へ学部見学に行ったときの様子

「最近、進路指導の教員が持つ進学先の事例やノウハウなどを教員同士で共有するデータベースを立ち上げました。このことで、生徒への進学先のアドバイスの質と量や、ターゲットとする進学先の範囲が格段に広がり、指導の質が向上したと思います」と自信を見せる梅田教頭だ。