対話形式授業やSTEAM教育など
「世界標準の教育」を実施

「これまでの日本の教育は、最終的な正解が存在するタスクに対する処理が、他者よりも早く正確であることを追求してきたと思います。しかし、これからの社会では、そういったスキルを身に付けるだけでは不十分です。一つの正解が存在しない課題に対しての最適解の精度を上げなければなりません」と話す川上教諭。芝国際では、講義形式の授業を残しながらも、対話形式の授業を重視。他者とのディスカッションやプレゼンを繰り返すことにより、多くの学びを得るという。

港区芝のビジネス街にあるモダンな校舎。アクセスも良い

 例えば「クラスメイトの多様な理論に触れ、まずは内発的な探求心が刺激されます。これにより思考することが常態化します。この状態であれば、知識の定着率も飛躍的に向上します。また、より説得力のある理論構築のために、検証を繰り返し、最適解の精度も上がります。この繰り返しによって、これから必要とされる力を身に付けてもらいたいと思います」。

対話形式の授業ではプレゼンテーション能力も培われる

 また、STEAM教育も不可欠であるという。「STEAM教育では、初めに内発的好奇心を刺激することを重視します。昨年、実施した例として、成層圏への観測機の打ち上げがあります。生徒たちの力で、バルーンに観測機を搭載し、いろいろなデータの取得にチャレンジしました。地球が青く浮かび上がる写真の撮影にも成功し、多くの学びがあったと思います。ここで、得た数値などをデータサイエンスの授業に活用することで、宇宙を身近に感じることができたのではないでしょうか」と川上教諭は意義を語る。

「アントレプレナーシップ教育も実践しています。人間の担う仕事が大きく変化し続ける社会に出ていく子どもにとって必須といえます。『どのような商品を提供すれば、人が喜び、社会が良い方向へ向くのか』を考え続けるマインドや、どのようにすればその商品を世の中に送り出すことができるかの知識を身に付けてから、社会に出てもらいたいと思います」

体育祭や文化祭の企画も生徒たちが"ゼロ"から考えた

 生徒たちは、文化祭・体育祭などの学校行事を先輩がいない中で、主体的にゼロから作り上げた。また、中学の修学旅行についても生徒が企画を練り上げている。川上教諭は「生徒には、自分に必要なものを大人が用意してくれるという感覚から、早いうちに卒業してもらいたい」と強い思いを語る。