生徒が海外大学に挑戦しやすい環境は、北豊島の大きな特色だ。高校ではネイティブ教員が学級担任を務め、週の授業の3分の1に当たる10時間を英語の授業に充てている「グローバルプログラム」がある。

1クラス20~30人程度の少人数制。教員と生徒の距離は近くチャレンジしやすい環境だ

 校内にはネイティブ教員が朝から放課後まで常駐するため、英語に触れない日はない。グローバルプログラムコース主任の吉留奈津紀教諭は「ネイティブ教員がゆっくり話すことはあまりないので、生徒たちは最初のうちは大変そうですが、毎日の会話を繰り返すうちに慣れてきます」と語る。

 日々の授業では、プレゼンやスピーチ、米国のニュースチャンネル「CNN」を題材にしたディスカッションなど、実践的な英語力を身に付ける機会が充実。定期考査でも、ネイティブ教員の英語の質問に対して、即興で答えるインタビュー形式のテストを実施している。こうしてコミュニケーションのツールとしての英語を学ぶことで、生徒たちは「読む」「書く」「話す」「聞く」の4技能をバランスよく習得している。

ネイティブの専任教員は6人。常駐だからこそ、生徒の英語力を熟知する

 英語だけに限らず、生徒たちの関心を広げる機会も豊富だ。23年度は、プログラムごとにさまざまなオリジナルイベントを実施。「連携協定を締結している順天堂大学の博物館を見学したときは、『解体新書』の原本を見たり、カテーテルが江戸時代からあったことを知ったり。生徒たちは知らない世界を目の当たりにして、大変面白かったと目を輝かせていました」(引率した長谷誠教諭)。

 さらに、清泉女子大学の教授が「デザイン思考」「マーケティングについて」、東京工業大学の教授が「意思決定論」をテーマとした特別講義を高校生向けに実施。生徒たちはグループワークで自らアイデアを出し合いながら、大学での学びを体験した。その他、学校内だけでは得られない学びを社会や世の中と触れ合う中で学んでいる。