三者面談でわかる伸びない子の親の特徴①|完璧主義
当たり前ですが、子どもは未熟です。次の予定を考慮して宿題に取り組む、丸つけの後に解き直しまでする、翌日の授業の準備を前日にしておくといった私たち大人からすると当たり前のことが、子どもにとっては当たり前にできません。私たちも子どもの頃はそうであったにもかかわらず、大人になるとついそのことを忘れてしまいます。
そして、大人でさえ難しいスケジュールをこなすことを要求したり、中途半端を許さずに完璧を追求するスタンスを取ってしまったりしがちです。子どもにとってみれば、絶対に不可能な無理難題を要求されているわけです。どれだけ苦しいか想像してみてください。そうした状態に子どもを追い込んでしまう親は、面談でお話をしていると子どものできていないところを中心に話をし、そのことで子どもを責めて、子どもの目の前で「先生からも言ってやってください」というようなことを言ったりすることが多いです。
お子さんに対する親の立場もあるので面談の場では言いにくいですが、こういった言動は子どものやる気を木っ端みじんにする最悪のアクションです。もちろんご家庭の状況の「情報共有」は大事ですが、そこに批判や非難のニュアンスは入らない方が良いです。
完璧主義に陥らないようにするためには、子どもの良いところ、これから伸ばしていきたいところを意識的に探すようにすることが重要です。アドラー心理学でも「注目した行動が増える」といわれているように、お子さんの良い行動に注目すれば、良い行動が増えていくでしょう。
三者面談でわかる伸びない子の親の特徴②|他の子と比べる
「同級生の〇〇ちゃんはもうここまで進んでいる」「お兄ちゃんが受験生だった時はできていた」 など、本人と他の子を比べるのは良くありません。「なにくそー!」と奮起するような子も稀にいますが、たいていの子は他の子と比べられると劣等感を抱いてしまいます。そして何より、それを言った親に対して怒りを感じます。
それよりも「前回の模試では解けなかった問題が今回は解けた」「1ヶ月前は苦手に感じていたこの単元が得意になった」など、過去の自分と今の自分を比較して、成長や課題に気づくことの方が断然意味があります。
この「他の子と比べてしまう」というのは、親に限らず本人も無意識にそうしてしまうことがあるので、もしお子さんが「〇〇くんは良い点数を取れているのに自分は全然ダメだ……」などと言ってきた際には、「大丈夫!あなたはあなたのペースでやればいいし、〇〇くんと比べなくてもこんな成長があるじゃない」などと、過去の自分と今の自分の比較に意識が向くような声かけをしてあげてください。
三者面談でわかる伸びない子の親の特徴③|自分ばかり話す
中学受験の主役は子ども本人です。私たちのような塾の先生はもちろん、親も主役ではありません。ですから、「面談」という場においても、当然主役は子ども本人です。にもかかわらず、本人に質問をしても毎回親が答えたり、本人が答えようとしても話を遮って親が話をしたり、子どもからしたら余計と感じるような話も平気でしたりしてしまうような保護者の方がいます。
これでは、「どうせ自分の意思は尊重されない」と感じ、次第に自分の意思を持つことを放棄してしまいます。そうなると、子どもは親の言いなり状態から抜け出せず、勉強に対しても中学受験そのものに対しても、どんどん受け身になります。それでは成績は上がらないですし、どこかで折れてしまいます。
そして、仮にそれで成績が上がって合格できたとしても、果たしてそれは「成功」と言えるでしょうか。合格と引き換えに「もう勉強なんてうんざりだ」と子どもが勉強に対して嫌悪感を持ってしまったり、親子関係が悪化してしまったりしたらとても悲しいですよね。
私は生徒たちには中学受験を通して、「自分が決めた目標を実現する」「自分の意思で行動する」、もっと言えば「自分の人生は自分で切り拓く」、そんな経験や実感を得てほしいと願っています。
話を面談に戻すと、子ども本人が目先の現状についてどう感じているか、どう思っているか、これらが非常に大事です。面談中は「自分が話したい」という気持ちはグッと堪えて、子どもが自らの意思を発信できる状態を作ってあげましょう。そのうえで、言葉足らずだと感じた場合には補足をしてあげたり、曖昧な表現をしていたらより具体的に言語化してあげたりするイメージでぜひ話してみましょう。それが、理想的な親のサポートです。そうしたスタンスで関わってもらえれば、本人もきっと心強いと思うに違いありません。
以上、三者面談でわかる子どもの成績を伸ばせない親の共通点3選でした。反対の事をすれば、お子さんの成績を伸ばすことができますよ。ぜひできることから変えていきましょう!