仕事を任せられる庄司先生とのエピソード

 先日、テスティー西永福校に行って、教室長の庄司俊平先生と打ち合わせをしてきました。庄司先生は生徒・保護者からの信頼も厚く、教室長に着任してからテスティー西永福校の生徒数はどんどん増えています。加えて最近はWEB個(オンライン校)への問い合わせも多く、対応に追われているので、サポートのために私が足を運んだというわけです。

 とはいえ彼にはこちらから指示することも特になく、状況の報告と今後の動きについてこうしたいという相談を受け、それに対してGOサインを出しただけでした。全て信頼して任せられる、ありがたい存在です。

 なぜそうやって任せることができるかというと、彼には仕事に対しての主体性と責任感があるからです。あまり自分のスタッフを持ち上げるのもなんですが……(笑)

 彼は、こちらから指示をしなくても主体的に「こうした方が良いんじゃないか」と考えて行動してくれ、ときに判断ミスがあっても責任をもってフォローするために動いてくれます。だからこそ仕事を任せることができるわけですね。

 じゃあどうして主体性と責任感があるかというと、タマゴが先か、ニワトリが先か、といった話になってしまいますが、仕事を任されているからだと思います。指示された仕事をこなすだけでは、仕事に対しておもしろさは感じませんし、主体性や責任感も生まれませんよね。  

自由があることで責任が生まれる

 主体性と責任感、そして自由と権限は、セットになって循環しているものだと思います。私と庄司先生は、青春時代の体験を通じて、そのことが体に染みついていました。実は庄司先生とは開成時代からの付き合いで、以前BSテレ東の番組「THE名門校」に私繁田が出演したとき、私の開成同期として登場していました。

 その番組の中では柳沢幸雄前校長やマネックスグループの松本大社長(現会長)など、私以外にも皆さんが異口同音に「開成は自由である」とおっしゃっていました。そして、その象徴が運動会であることも。生徒たちがルールも含めて話し合って決めて運営していく開成の運動会は、世代を超え、卒業生皆が愛しています。

 今振り返ってみれば、私たちはあの運動会を通じて自由を与えられ、それに伴う責任を果たし、主体的に動くことの楽しさを学んだのだと思います。授業で勉強すること以上の学びを、学校生活から得ていたのですね。

 そのような共通のバックボーンもあり、私は庄司先生が「彼は任せられた方が主体的に動く人間」だとわかっているので任せますし、彼は「自分で主体的に動けば私(繁田)が任せてくれる」と知っているので主体的に動きます。庄司先生とは、仕事をするうえで良い関係が築けているのですね。

自分で考えて成長できるお子さんにするには?

手を挙げる子どもたち
出典: pixta

 ところで、これって親子関係でも同じだと思いませんか。子どもに任せた方が、主体性と責任感が育ちます。主体性と責任感が育てば、より多くのことを任せられるようになります。

 主体性と責任感を育てるきっかけは、運動会や、中学受験でもつくることができます。子どもには主体性と責任感を持った子に育ってほしいと願うものですよね。私も我が子にはそうなってほしいと思っています。

 そのために私たち親ができることは、子ども本人が責任を取れることならばできる限り任せてしまうことだと思います。忘れ物をしたり、宿題が終わらなかったり、あるいはテストで悪い点を取ったり。そういった失敗を子どもがしないように、親はついついアレコレ指示をしたり、ルールを決めたりしてしまいがちですよね。それも子どもを思う気持ちの表れですから、決して悪いこととは言い切れません。ですが、それでは主体性が育つのが遅くなります。

 タマゴが先か、ニワトリが先か。まず任せることから始めて主体性を育てるか、主体性が育つまで任せないで待つか。そう考えたら、おすすめなのは、小さなことから任せるようにしていくことですね。

 大丈夫です。目先のテストで1回や2回悪い点を取っても死にはしないですから(笑)

 むしろ自分で考えて行動して、ときに失敗をして、気付きを得た子の方が、結局は成績が大きく伸びています。この中学受験というイベントを通じて、学力以外の面でも、お子さんを育てていきましょう。

 そのための方法は「小さなことから、任せられるものは任せていく」。これを実践してみてくださいね。