フラッシュカードはいつの時代も変わらぬ効率的な勉強法

 フラッシュカードは、下にあるような用紙を使う勉強法です。

 表に問題を書いて、裏に答えを書くだけ。単語帳とか暗記カードとか言われたりもします。

フラッシュカードのイメージ
フラッシュカードのイメージ 出典:pixta

 古典的な学習法なので、私たち親世代でも「学生時代にやっていた!」という人は多いですよね。こんなアナログな手法なので、「令和の時代に暗記カード?(笑)」と言う子もいるのですが、侮ることなかれ。フラッシュカードはいつの時代も変わらぬ、最も効果的な勉強法の1つなのです。

 その理由は、フラッシュカードが「検索練習」の実践に役立つからです。検索練習とは、簡単に言えば「覚えたいことを何度も思い出す」だけなのですが、「これが科学的に最強の暗記法だ!」ということがわかっています。

 この要素を含まない「テキストをただ読むだけ」のような学習法は、大変効率が悪い学習法になります。検索練習は正直疲れるので、面倒くさがってテキストをただ読むだけという手抜き勉強に走る子が多いのですが、そういう子たちの成績はだいたい伸びないですね。

 大事なポイントは「想起する(思い出す)」ことなので、その意味ではフラッシュカードだけが唯一の方法ではありません。テキストの問題を解くことも立派な検索練習です。

 ただ、フラッシュカードは持ち運びも簡単で、電車の中などのスキマ時間でもできる手軽さが魅力です。さらに、自分が覚えられていない、自分にとって必要な知識だけを集めて自分専用の問題集を作れるので、それによって学習効率がより高まります。

 理科、社会の知識分野や、中高生であれば英単語のように、事実の記憶を求められる科目にはとても役に立つでしょう。ぜひこれからの受験までの残り時間で、覚えたい知識をまとめたフラッシュカードを作ってみてください。

フラッシュカードを作る際のポイント

 フラッシュカードを作るうえでは、以下の点に気をつけるとより効果的な学習ができるようになります。

ポイント1:1枚には1つの知識

 フラッシュカードは、問題と答えを可能な限りシンプルに絞ってください。フラッシュカードを作ろうとすると、つい欲張っていろいろな情報を書き込みたくなります。

 しかしこれだと脳が混乱します。「1枚のカードには1つの問題と1つの答え」に絞りましょう。フラッシュカードは、そもそも複雑な概念を覚えることには向いていません。

 例えば、「理科の浮力の問題の解き方」とか「算数の図形上の点の移動問題の解き方」といったものを、フラッシュカードで覚えるのは無理があります。

 フラッシュカードは基本的に「丸暗記」をするのに向いた手法なので、シンプルな事実を覚えるときに活用しましょう。

ポイント2:フラッシュカードは自分で作る

 フラッシュカードは、すでにでき上がっているデッキが売られていたりします。また、スマホ用のフラッシュカードアプリもいろいろ出ています。

 こうした既成のフラッシュカードデッキはとても便利なのですが、これらは学習効率が高くありません。そもそも自分はすでに覚えていて、暗記する必要のない知識も含まれていますので、それらを取り除く手間が発生します。

 さらに「自分でいろいろな問題を考えるほうが、脳が刺激されて記憶力が上がる」という結果が、フラッシュカードを使った学習の研究においては一貫して報告されています。

 ですから、既成のフラッシュカードデッキを買ってくるのはもちろん、親が子どもの代わりにフラッシュカードを作ってあげるというのも、子どものためにならない悪い甘やかしになってしまうということですね。

 フラッシュカードを作る時間は無駄な時間ではなく、むしろ大切な学習時間の一部ということのようです。ぜひ自分で作らせてあげてください。

フラッシュカードで暗記科目を総復習しよう

 フラッシュカードは、知識の暗記で点数が取れる科目では絶大な威力を発揮します。模試や過去問で正解できなかった知識は、都度都度フラッシュカードを作って、最後の1~2週間で総復習できるように準備をしていきましょう。

 理科、社会の勉強は今からが最高に伸びる時期です。最後まであきらめずに頑張って、ぜひ第一志望の合格をつかみ取りましょう!