旅行先で勉強できる子どもは少数

「旅行先でも勉強させた方が良いですか?」「勉強道具を持っていった方が良いですか?」そんなご相談をよくいただきます。もちろん勉強が習慣になっていて、旅行でやるのにも違和感がないお子さんであれば、持っていった方が良いでしょう。

 しかし、そんな子はどちらかと言えば少数派で、多くの子は旅行に行ってまで勉強はしたくないというマインドです。それはごく普通のことです。結果として、重いテキストを持っていっただけで無駄になるか、無理やりやらせて険悪になり、やりはしたものの身にならないか、どちらかということが多いです。

「楽しむため」という旅行の本来の目的からすると本末転倒です。親子で嫌な思いをするくらいだったら行かない方がマシだった、みたいな感想にもなりかねません。

旅先で見るものを社会・理科の学習につなげよう

 さて、旅行を成績アップにつなげる秘訣ですが、これは「旅先で見るものを理社の学習につなげる」というとてもシンプルなものです。

 実際の私の旅行を例に出してみますね。私が北海道旅行の際に野球をしたときは、焼きトウモロコシを食べました。

 ご存知ですか? トウモロコシの生産量は北海道がダントツで1位です。野菜・くだものの都道府県別生産ランキングは中学受験の社会で頻出です。トウモロコシは正直あまり見かけないのですが(笑)。ただ、入試に出るか出ないかは関係なく、興味を持つきっかけとして触れておきたいですね。

 北海道といえば、スープカレーも有名ですよね。それではここでクイズです! スープカレーには、ナスやカボチャ、ニンジン、ブロッコリー、レンコン、パプリカが入っていますが、北海道が生産量1位のものはどれでしょうか? 入試頻出と言えるものは1つだけなので、ちょっと難しいかもしれませんね。

 正解は、ニンジンとカボチャとブロッコリーです。ナスは高知県というのは入試頻出なので、消去法で消すことができたかもしれませんね。ニンジンが北海道というのも常識レベルです。他はなかなか知らないと思うので、クイズとしてお子さんと楽しむのにちょうど良い難しさじゃないでしょうか。

 ちなみに受験勉強ということなら、「ビーフカレーは北海道」と覚えるのが鉄則ですね。牛肉・タマネギ・ジャガイモ・ニンジンは北海道が生産量1位です。ルーにはとろみを出すために小麦粉が使われていますが、小麦も北海道が1位です。

 その他、寒さの厳しい地方の暮らしの特徴として、寒さ対策・雪対策がそこかしこに見られます。そういったものを自分の目で見ておくのも良い勉強になるでしょう。都心とは違う街の作りに気付いたら、なぜそうなのかを考えてみるのはとても良いことです。

まとめ|夏の旅行こそ成績アップのチャンス!

 私の指導経験上、成績が良い子というのはとても好奇心が旺盛です。そういう子に育てるためには、日ごろから本物を見たときに、タイミングよく知識を与えたり考えさせたりすることが効果的です。

 テキストの問題を解くのに比べて即効性があることではないですが、長期的に見て成績の良い子に育てるためにはとても重要なことなので、どこかに出かける際にはせっかくですから意識してみてくださいね。