【生活】「親子の会話」と「お手伝い」で家庭学習の土台をつくる

「親子の会話」「お手伝い」を全ての学年に入れました。これらは家庭学習を習慣化していく土台として、とても重要なものだと私は考えています。「親子の会話」を楽しむことは和やかな親子関係を育みますし、「お手伝い」をすることで家族のための役割を担うこと、つまり、自分のやりたいことを少し我慢して行動する習慣を身につけることができます。

 自分の考えを言葉にして伝えること、ちょっとした我慢ができるようになることは、その後の学習習慣に大きく影響しますので、ぜひ意識して取り組んでみてください。

「入塾試験に向けた家庭での準備」学年別フロー(生活/拡大)(中学受験の家庭教師「名門指導会」より西村則康作成)
「入塾試験に向けた家庭での準備」学年別フロー(生活/拡大)(中学受験の家庭教師「名門指導会」より西村則康作成)

【生活】会話の中でできるようになってほしいこと

 食事のときなど、その日の出来事をお子さんと話す習慣を持ちましょう。1年生なら「ぼくは・わたしはこう思う」という一人称の会話ができれば十分ですが、2年生になったら「〇〇ちゃんはこう思ったかも」という、相手の気持ちを考えた会話ができるようにしておきたいです。

 とはいえ、親が言葉の使い方の修正に気を取られすぎてしまうと、お子さんは会話の楽しさを感じることができなくなってしまいます。両親が否定的な返答をすることなく、朗らかな表情で接していれば「話すことは楽しい」と感じてもらえるはずです。お子さんが自発的に「話をしてくれること」を大切にして親子の会話を楽しみましょう。

 3年生以降は家庭での会話を増やすとともに、親以外の大人と会話する機会も増やしてみてください。自然と共感力や自己肯定感が育ち、精神年齢をぐっと引き上げてくれます。

【生活】お手伝いをしたことを親は認め、褒める

 新聞を取りに行く、食器を片付けるなど、ちょっとしたことで構いませんので2年生、3年生と徐々にレベルアップしていけるお手伝いをさせてください。親は自分でやったほうが早いと思ってしまうようなことでも、子どもがお手伝いをしたことをその都度認めて、褒めたり感謝の気持ちを伝えたりすることが非常に重要です。

 家庭での役割を小さい頃から習慣化することで、お子さんはちょっとした我慢ができるようになると同時に、「自分は家族の中でかけがえのない一員なのだ」という自我が芽生えます。その気持ちこそが、学習意欲の一番の土台になっていくのです。