(1)~(4)イングリッシュアイランド(EI)は南と北に分かれる。3号館3階にあるサウスEIは、およそ中高の教室らしくないしつらえの英語学習のためのテーマパークのような一画で、さまざまなショップが設けられ、ハロウィーンの飾り付けなど季節ごとのイベントも行われている (5)(6)8人のネイティブ教員が駐在するこの島の中では原則英語。ライブラリーには英語教育関連の書籍が充実している (7)2号館にあるノースEIの「英語チャレンジクラス」。生徒は英語漬けの生活を送る
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第一の島、イングリッシュアイランド

“山脇ルネサンス”の産物でもある「アイランド」と名付けられた三つの教育施設が、新しい山脇の教育を支えている。ここからは教頭の鎗田謙一先生の解説も交えながら、それぞれの“島”の様子を見ていこう。

鎗田謙一(やりた・けんいち)
山脇学園中学校・高等学校教頭兼広報部長

1964年東京生まれ。上智大学文学部国文学科卒業。国語科教員でありながら技術系にも詳しく、ICT化やプログラミング教育などを先導。横須賀学院で副校長を務め、青山学院大学との教育提携を実現。宮城学院中学校高等学校に移り、2017年同校22代目校長に就任。介護のため任期途中で東京に戻り、19年山脇学園中学校・高等学校の入試広報部長に就任。21年4月から中高教頭も兼務。

 

――短大の校舎は現在どのように活用されていますか。

西川 2011年3月で短大が閉学となり、3・4号館が空きました。まず、3号館にイングリッシュアイランド(EI)、4・5号館にサイエンスアイランド(SI)が同年にオープンします。翌年には3号館に短大図書館を生かした自習室と進路指導も行う「自学館」と300人収容のカフェテリア、4号館にはクラブ活動室などができ、耐震改修も実施しました。

 環境により育つ力があることを実感しました。教室ではできない多彩なアクティビティーや研究活動などの学び合いが、生徒を大きく育てることを実感しています。いまではこの三つのアイランドでの教育が、本校の探究学習の一つの柱になりました。

――では、EIから拝見して参りましょう。鎗田先生は入試広報部長に加えて、教頭も兼任されるようになりましたが、内と外を両方見るのは大変でしょう。こちらに着任されてからどのぐらいたちますか。

鎗田 3年目になります。4月から教頭も兼任しています。ここからは私も一緒にご案内しましょう。

 まず、中学のホームルーム教室がある2号館にノースEIがあります。こちらには中学入学時に一定レベル以上の英語力を持つ既習生を集めた「英語既習生クラス」と、中学3年次の「英語チャレンジプログラム」のホームルーム教室を集めています。また、英語既習生は、入学時の英語力に応じて四つのグレード別授業を行っており、その移動教室としてもノースEIを使っています。

――この教室には、ACE(American Classroom Experience)と書いてありますね。

鎗田 教室にいる間は原則として英語を使います。「英語チャレンジプログラム」は中学3年の希望選択制ですが、1年間、朝礼や終礼はネイティブの担任が担当し、すべて英語を使用します。放課後には準備英会話を週に1回行い、3月にはイギリスでの語学研修を行います。滞在中はホームステイとなります。

――サウスEIの入り口には「HALLOWEEN」と書いてありますね。中に入るとなんだか外国の教室にいるみたいですね。

鎗田 このエリアのコンセプトは、英語を話したくなるような雰囲気を作り出すことです。フロア全体にイギリスの街並みを再現しており、専任2人を含む8人のネイティブ教員が親しげに話しかけてきます。

――こちらのホールは、どのように利用されていますか。

鎗田 EIシアターとして利用しています。学期に2回ほど、日本語ではなく英語の字幕が付いた映画会を行っています。この3号館の1階には約300人が入るカフェテリアがあり、ランチブッフェなども行っていたのですが、コロナ禍で中止しています。22年度から再開できるといいのですが。

(1)イングリッシュアイランド(EI)内のシアター (2)約300人収容可能なカフェテリア
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