(1)短大の施設と設備を十分に生かしたサイエンスアイランド (2)1人1台ある双眼の顕微鏡も短大から引き継いだ (3)(4)プログラミング教育と合わせてロボットも自作する。自動ホワイトボード消しロボットは磁力で吸着し、枠の間を動く仕掛け (5)(6)消毒液自動噴霧ロボットや入れた硬貨の分だけ稼働するロボットなども生徒の作品
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ロボットや自動車も自作するSI部

鎗田 短大にあった家政科や食物科の設備器具も有効活用しています。1人1台ずつ双眼の顕微鏡を常設した教室を持つ中高は珍しいでしょう。

 サイエンスアイランドにはSI部もあり、100人ほどの生徒が化学・物理・生物・数学という四つの班に分かれて活動しています。生物班に入り活動している生徒が、今年度、慶應義塾大学のバイオサミットで審査員特別賞を受賞しましたが、これは画期的なことでした。

――普通、女子校というと生物系の活動が中心ですが、これはロボットですね。

鎗田 SIは、最初からSTEM(科学・技術・工学・数学)教育でスタートしているところがすごいと思います。これはプログラミング教育の一環で、ロボットグループ(科学研究チャレンジプログラム)ではロボットを作成しています。

 Arduinoと呼ばれるマイクロコンピューターを使います。物理の先生が秋葉原でセンサーやモニターを買い集めて、電子工作の基本とプログラミングを教えています。その後、生徒は自由な発想でロボットを制作します。

――変わったロボットがいろいろありますね。

鎗田 昨年はコロナ禍の時世を反映して、消毒液自動噴霧ロボットを作成した班がありました。液を入れると重くなるのでバランスを取るのと、センサーで壁を検知し、方向転換をさせるのに苦労したそうです。

――こちらでは車まで作っているのですか。

鎗田 1リットルのガソリン燃料でどれだけ走行できるかを競い合う「Honda エコマイレッジチャレンジ」出場のため、芝学園技術工作部に行って原付きエンジンを溶接してきました。

――寺西幸人(芝中学校・高等学校技術科)先生のところですね。同じ港区内の男子校と女子校がコラボするのはよろしいことですね。

芝中高の技術工作部の協力も得て作成したワンリットルカー