
「昆虫が大好き」堂々と話せる雰囲気
首都圏で中学受験する家庭にとって、志望校を絞り込む際に、共学校か男女別学校かは重要な判断基準の一つだ。
「親世代のほとんどは共学校出身。別学のことをよく知らないまま、イメージで選択肢から外してしまうご家庭もありますが、もったいない。それぞれの特徴を知って、自分の子どもの向き不向きを考えてほしいです」
こう語るのは、塾講師として31年にわたり中学受験指導を行ってきた矢野耕平氏。塾生の親たちと面談を行う中で「社会は男女で構成されているのだから、中高時代も共学で学ぶのが自然」という声も多く聞かれるという。「この考え方は一理ある」と前置きした上で、男女別学の特徴を解説する。
「まず、異性に気を使わなくていいことです。異性の前では自分を出せないという子どもは一定数います」
例えば、幼少期から専門書を読むほど昆虫に熱中していた男子が、虫が苦手な女子たちから冷たい視線を浴びせられた途端、パタっと昆虫のことを口にしなくなる。ロケットが大好きで将来開発を夢見ていた女子が、ロケットに興じるのは男子ばかりという現実を見て諦めてしまうなど、多感な思春期だからこそ起こり得ることだ。