
「男子校や女子校では、異性の目を気にせず、自分らしくどんなことにでも打ち込める雰囲気があるといえます」
理系を伸ばしたいなら共学と女子校どっち?
次に、進路選択の面を見てみよう。共学の女子より別学の女子の方が理系進学者の割合が高いのは、世界的な傾向だ。英国の国立教育調査財団や女子校協会などの調査で、共学より女子校の女子生徒の方がSTEAM(科学・技術・工学・数学)科目の履修率が高くなるというデータもある。
「空間認知能力は男子の方が高い傾向にあり、数学や物理などの科目で、女子の成績を上回る生徒が多い。共学では間近でその現実を見ることになるので、理系科目に苦手意識を持ってしまう女子生徒もいるようです」
一方、男子校では、芸術や語学など女性向きといわれる分野に進む生徒の割合が高まるという結果が出ている。「子どもが好きな科目、親が伸ばしてやりたい科目があれば判断材料にしてください。男女の脳の発達の違いを考慮した授業を行う学校もあります」
矢野氏は「別学では濃い人間関係が構築される」という特徴も挙げる。
「これまでさまざまな学校の在校生や卒業生に話を聞く機会がありましたが、遠慮がない付き合いの中で、生徒同士の連帯感が生まれやすい印象です。大人になっても友人関係を継続しているという話も多くありました」
ただし、濃密な人間関係が苦手な子どももいる。家庭の中だけではなく、小学校や塾などの集団の場でわが子がどのような振る舞いをしているかを、担任の先生や塾講師に聞いてみよう。