しかまのりこ氏顔写真

しかまのりこ

1級建築士。COLLINO一級建築士事務所代表。延べ5000戸以上の住宅審査・検査・設計、インテリア、収納改善、住み替えサポートに携わる。住む人の「人生のフェーズ」に合わせた住まいの提案に定評がある。近著に『狭い家でも子どもと快適に暮らすための部屋のルール』(彩図社)。

冷暖房の熱効率より重視した方がいいものとは?

 また、2003年以降に建てられた住宅には24時間換気システムの設置が義務付けられており、住宅で採用されることが多い第3種タイプの場合は、一般的には給気口と排気ファンが備わっている。だが、寒さや風の音を理由に給気口を閉じてしまっている家庭も少なくない。これでは、せっかくの換気機能が働かず、空気がよどんでしまうので、給気口は完全に閉じず、少しでもよいので開けておくのが基本だ。

「このほか、居室にはドアの下に『アンダーカット』と呼ばれる1.5cmほどの隙間が設けられているのが一般的です。これは空気の流れを確保するための設計で、冷暖房の効率が悪いからと市販の隙間テープなどでふさいでしまうと空気の流れが遮断されてしまうので注意が必要です」

 学習の質は、空気の流れや室温、湿度、換気の状態によって大きく左右される。目に見えない「空間の質」を整える工夫が、子どもの集中力を支えていく。