「先生の話を聞いた上で、子どもに事実を確認し、冷静に向き合うことが大切です。子どもの言い分をすぐにうのみにしないで、何が起きたのかという事実を丁寧に確認してください。学校が把握していない事実があるなら指摘し、学校側の指摘にも耳を貸す姿勢が必要です」(真下氏)

問題を深刻化させる前にすべきこととは

真下麻理子弁護士顔写真

真下麻里子(ましも・まりこ)

中学・高校の教員免許を持つ弁護士。宮本国際法律事務所に所属し、NPO法人ストップいじめ!ナビの理事を務める。全国の学校で「いじめ予防授業」や講演活動などを実施。著書に『子どもと向き合う法的思考力』(東京書店)など。

 このとき、親が怒って「この程度のことで加害者呼ばわりするなんて」と学校や被害者に抗議するようなことは避けたい。「絶対に謝らない」と親が意地を張った結果、状況が悪化したばかりか謝りたいのに謝れない罪悪感からわが子が深く傷つく例もあるという。

「法律上の『いじめ』とされても、問題がごく小さいうちなら違法性も高くなく、民法上の不法行為責任を負う可能性も低い。あまり神経質にならないことが大切です」

 いじめへの対応に迷ったときは、第三者に相談するのも手だ。通学先のスクールカウンセラーは親だけで利用可能な場合が多く、法務省の「子どもの人権110番」や「インターネット人権相談受付窓口」などの保護者向け相談窓口もある。問題を深刻化させてしまう前にぜひ活用したい。

※次回「【中学受験】入塾前に見極めたい、子どもが自ら伸びる「塾との相性」とは?」は10月14日公開です。