夏休みの講習の多くは20日程度。その後8月後半に特別講習を行う塾が多い。特別講習を受講せず、前述の西村氏の指摘のように「解けなかった部分」を復習するのが理想的だが、現実的には子どもが家にいても、一人では勉強ができないという場合もあるだろう。何もせず過ごすぐらいなら、塾の特別講習に通わせた方がいいという判断をする親も多い。
だが、長い休みの間こそ、家での過ごし方が今まで通りで大丈夫なのかを見直したい。塾のある日とない日とでは、家で取り組むべき事柄は変わってくる。親との関わり合いの度合いや、その子の学習状況に応じて優先順位も変わる(図表1)。

苦手分野を克服する際に陥りがちなワナに注意
もう一つ、夏休み中にぜひやっておきたいのが苦手分野の克服だが、注意したいことがある。
「本来長期休暇中は苦手な問題をやり直すべきですが、思っているよりも時間がないので、やるべきことを絞り込む必要があります。解けない問題を全て洗い出してやり直しをさせようとすると、消化不良になってしまい失敗することが多い」(小川氏)
弱点を全て補強するのが難しいのなら、どこをやり直せばいいのか。
「ピンポイントで決めていくといい」と西村氏は言う。
「例えば速さが苦手だとして、速さに関する分野はたくさんあります。旅人算を復習するにも解き方は線分図やダイヤグラムがある。線分図はマスターしていると判断したら、ダイヤグラムだけをやり直すのです」(西村氏)
具体的には、一日2時間半程度の学習で理解できるようになりそうなテーマを選び、取り組んでいく。