このまま通い続けて大丈夫?「転塾」を考える4つのタイミング

 転塾について西村氏は「必要に応じて勧めることもある」と言う。

「授業の進み方とその子の学習速度が合わなくなっているとき、もう少しゆっくり勉強する方が子どもの学力が伸びるはずだと思うときは、転塾を検討してもいいでしょう」(小川氏)

 タイミングは、全部で4回ある。

「4年生の夏期講習から転塾するのが最初のタイミング。次は2月の学年が変わるとき、そして5年生の夏期講習まで。最後は5年生の2月です。それ以降は、優能な第三者のアドバイスがないと難しいでしょう」(西村氏)

 気になるのは塾による進度の違いだが、西村氏は「気にするべきは算数だけ。理科や社会は、未習の部分は家庭で補うことができます」と言う。算数は転塾先の塾や個別指導、家庭教師などにフォローをしてもらうのも手だ。

「学年が変わるタイミングで転塾をするなら、入塾前に候補先の塾の冬期講習を受けるのがお勧めです」(小川氏)

 スムーズに転塾させるには、親の入念な事前準備が必要だ。

小川大介氏顔写真
小川大介(おがわ・だいすけ)
教育家。才能タイプ子育て研究所所長。京都大学法学部を卒業後、中学受験個別塾を創設。コーチングと学習タイプ分析を融合した独自ノウハウで受験学習、幼児からの能力育成、子育て支援で実績を重ねる。執筆、講演、教育系企業への助言など幅広く活躍中。
西村 則康氏顔写真
西村則康(にしむら・のりやす)
中学受験のプロ家庭教師

「名門指導会」代表。中学受験情報局 主任相談員。40年以上難関中学受験指導をしてきたカリスマ家庭教師。開成、麻布、桜蔭などの最難関中学に2500人以上を合格させてきた。近著に『受験で勝てる子の育て方』(日経BP)。