出題傾向を見える化して、子どもと志望校との「相性」を知ろう! イラスト:PIXTA
支持される「子どもの個性を伸ばす」学校
前回は、偏差値40~50台(※1)、つまり難易度「中堅・中位」の首都圏私立中学校の中から、模擬テストの偏差値の動きに基づいて2026年度入試の人気上昇校を予測した。
だが、最近は、受験生の得意科目のみで受験できる入試も広く実施されている。世の中の価値観が多様化する中、4科目の総合的な偏差値では測りきれないポテンシャルに期待し、多様な能力を持つ受験生を集めるのがその目的である。特に、中堅・中位校でこの傾向が強い。
小学校の段階で「将来やりたいこと」が具体的に決まっている子どもはほとんどおらず、自身の未来像は、中学校・高校生活を通じてさまざまな体験を積み重ねることで、少しずつ形成されていくものだ。
多くの私立中高一貫校が、中学1~2年生の段階からキャリア教育を実施するのは、キャリアへの取り組みを通じて生徒が自分の興味や適性を見いだし、将来進む道を考える土台を築くためである。このように、学習カリキュラムの中で自分に向き合う時間を持てるのは、私立中高一貫校ならではといえる。
「子どもの個性を伸ばすには『失敗が許される環境』が必要です。たとえ失敗しても、先生がしっかりとフォローし、友人たちと共に成長していける環境のある学校が、保護者から支持を得ていると思います」と、首都圏中学模試センターでデータサイエンスとAI分析を担当する鈴木達也氏は述べる。
※1「首都圏模試データ 偏差値一覧2025年入試結果80%偏差値一覧」(首都圏中学模試センター)
