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三谷流構造的やわらか発想法

「チーム」が「ティーム」に。
NHKのテロップと発音はなぜ違う?

三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]
【第146講】 2016年9月1日
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post、most、host、ghostの共通点は?

 post、という英単語があります。

 名詞では、郵便(郵便物や郵便局や郵便箱)や職位・職責のことであり、動詞では、投函する、貼り付ける、告示する、まっすぐ立てる、配置するという意味があります。

 だから、ポスター(告示物)、ポスティング(チラシ投函)サービス、マルチポスト(重複投稿)なんて言葉もありますよね。日本語としてふつうに使われています。

 フシギなのは、その表記と発音のズレです。

 postの、英語での発音はポストでなくポウスト〔póust〕。「オ」でなくはっきり「オウ」なのです。

 なんでpostをカタカナにするとき、ポウストにしなかったんでしょう……。

 明治時代に編纂された辞書『大言海(だいげんかい)』を調べても、あっさり「ポスト:英語のpost、郵便物や郵便箱のこと」と書いてあるのみ。ポウストと表記しようかどうか、悩んだ跡は見つかりませんでした。

 他にもostでは、most(最大の)、host(主人)やghost(幽霊)が、英語ではモウスト、ホウスト、ゴウストと発音します。モスト、ホスト、ゴーストではありません。

 誰が最初に定めたかわかりませんが、迷惑な話です。お陰で「間違えやすい英単語の発音問題」として日本人を悩ませることになりました。

NHKはチーム(team)をティームと発音する

 ポスト(post)では、元の発音と大きく違う表記(と発音)が、定着してしまったことが問題でした。でも、ポストと書いて、ポストと読んでいるのでまだましです。

 でも最近のNHKの「ティーム」はいただけません

 リオ五輪でも、NHK(や民放の一部)のアナウンサーたちは、team(チーム)のことを「ティーム」と発声していました。メジャーリーグであろうが高校野球であろうが、関係ありません。「このティームの特徴は……」と喋ります。

 でも、テロップ等での表記は「チーム」のまま。発音だけ(しかも一部だけ(*1))英語風なのです

*1 発音記号では tíːm であって、tíːmu ではない。

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三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]

1964年大阪生まれ、福井育ち。小1のとき読書と読みかじりを人に教える快感に目覚め、駿台予備校では教えることの技術に衝撃を受ける。東京大学 理学部物理学科卒業後19年半、BCG、アクセンチュアで戦略コンサルタントとして働く。2003年から06年までアクセンチュア 戦略グループ統括。途中、INSEADでMBA修了。
2006年から教育の世界に転じ、社会人教育と同時に、子どもたち・親たち・教員向けの授業や講演に全国を飛び回る。「決める力」「発想力」と「生きる力」をテーマに毎年8000人以上と接している。現在K.I.T.(金沢工業大学)虎ノ門大学院 主任教授(MBAプログラム)の他に、早稲田大学ビジネススクール、グロービス経営大学院、女子栄養大学で客員教授、放課後NPO アフタースクール及びNPO法人 3keys 理事を務める。永平寺ふるさと大使。
著書多数。『一瞬で大切なことを伝える技術』(かんき出版)は啓文堂書店2012ビジネス書大賞、『経営戦略全史』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)はダイヤモンドHBRベスト経営書2013第1位、ビジネス書大賞2014大賞、『ビジネスモデル全史』(同)はHBRベスト経営書2014第1位となった。
HPは www.mitani3.com

 

 


三谷流構造的やわらか発想法

発想法ってなんのために存在するのでしょう? ヒトと違うアイデアや答えを出すためです。統計的に有意な戦略なんて、定義により無価値ですし、統計的に正しい発想法なんてあるわけがありません。発想に「普遍性」や「高確率」を求めるなんてそもそも矛盾しているのです。発想法も、然り。これまでと違うものを生み出すには、新しい発想法がいま求められているのです。

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