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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

社会的な目的を実現してよりよい社会をつくる
経済はそのための手段である

上田惇生
【第219回】 2010年11月22日
著者・コラム紹介バックナンバー
ダイヤモンド社刊
2100円(税込)

 「経済の成長と拡大は、社会的な目的を達成するための手段としてしか意味がない」(『「経済人」の終わり』)

 経済の発展は、社会的な目的の達成を約束する限りにおいて望ましい。約束が幻想であることが明らかになれば、当然その価値は疑わしくなる。

 社会秩序および信条としての資本主義は、経済的な進歩が、個人の自由と平等を促進するとの信念に基づいていた。これに対しマルクス主義は、そのような社会は、私的な利潤を廃止することによってもたらされると期待した。

 ドラッカーは、資本主義は自由で平等な社会を自動的に実現するための手段として、利益を積極的に評価した最初で唯一の社会的信条だったという。資本主義以前の信条では、私的な利益は社会的には有害なもの、少なくとも中立的なものと見ていた。

 かつての社会秩序においては、個人の経済活動は、意図的に狭い領域に閉じ込め、社会的に意味のある領域に与える影響を最小限にしようとしていた。しかし、資本主義は、経済に独立性と自立性を付与した。それどころか、経済活動を非経済的な要因に左右されることのない上位に位置づけた。

 「まさに、経済的な進歩が千年王国を実現するがゆえに、経済的な目的の実現のために、あらゆるエネルギーが注がれなければならない。これが資本主義である。しかし、それは、本来の社会的な目的を実現できなければ、意味をなさず、正当化されず、存続の可能性すらない」(『「経済人」の終わり』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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