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小池都知事の「給与半減」で考えるトップの最適報酬

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第443回】 2016年9月14日
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社長の報酬の最適額はどのうように決まるべきなのか

小池都知事の賢い公約
給与半減は有効な「投資」

 現在、築地市場の移転問題で話題を集めている小池百合子都知事が、都知事選の公約でもあった知事の報酬半減を打ち出した。公約だったのだから当然とも言えるが、ボーナスを含めた全報酬の半減であれば、年収が約1450万円となって、都議会議員の1700万円と逆転するという。

 月払いの給料だけの半減なら、逆転は起こらないが、ボーナスに業績査定がある訳でもなく、事実上一定の収入が確保されているのだから、ボーナスを含めた全報酬を「給与」と考えて半減させるのが、普通の考え方だろう。月額のみ半減といった、中途半端な措置を取ると、都庁の役人に左右されたのではないかとの不名誉な憶測を生むだろうから、小池知事は、事務方からこの種の提案があっても、引っ掛からない方がいい。

 知事の報酬の変更には都議会の承認が必要だ。一部には、自分たちの報酬額に対する有権者の批判や反感を恐れた都議達が、都知事の報酬削減に反対するのではないかとの憶測もあるが、都議諸氏は、都知事本人がそうしたいと言っているのだから、「静かに」受け入れて可決すると良かろう。「政治にはカネが掛かる」とか、「政治家のなり手がいなくなる」とか、仲間受けを狙った発言をすると、本人のマイナスになるリスクが大きいとご忠告申し上げておく。

 小池都知事に反対したい都議にとっては、むしろ小池都知事に都議の報酬批判をさせる方がチャンスが大きいだろう。もっとも、クレバーな小池知事は、そのような愚策を採らないだろう。

 一方、小池都知事は、年間約1450万円の費用で、都知事という大きなポジションにあって、政治的な評判を買うことが出来、メッセージを発することもできるのだから、この費用を「投資」と考えるなら、極めてリターンが高いと言えるのではないか。賢いやり方だと思う。

 両者が合理的であれば、小池都知事の報酬半減はスンナリ決まるだろうというのが筆者の読み筋だが、さてどうなるだろうか。成り行きに注目したい。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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