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イノベーション的発想を磨く

単なる「いい人」上司では有能な部下は育たない

~『「最高の上司」は嫌われる』(マルクス・ヨッツォ著)を読む

情報工場
【第26回】 2016年9月17日
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なぜ、松岡修造は「理想の上司」なのか

 明治安田生命が、今年の新社会人を対象に実施したアンケートによる「理想の上司ランキング」の男性上司編で、昨年2位だったスポーツキャスターの松岡修造氏が初めて1位となった。

 松岡氏は、ATP世界ランキング自己最高46位の元プロテニスプレイヤーで、現在はテニスをはじめとするさまざまなスポーツの解説などで人気を博している。とくに、国際大会では日本人選手たちに心の底から声援を送り、熱い言葉で励まし、選手の気持ちになって一緒に涙ぐんだりもする。

 しかし、その熱い解説で言っていることは、非常に冷静で的確。選手のコンディションなども細かく把握した上で、ロジカルでわかりやすい言葉が発せられる。面白いだけでなくためになるのだ。

 松岡氏といえば、錦織圭選手との“師弟関係”でも有名だ。改めて説明するまでもないが、錦織選手は先のリオ五輪の男子テニスで日本人として96年ぶりに銅メダルを獲得し、現在ATP世界ランキング5位のテニスプレイヤーだ。松岡氏は、小学生だった錦織選手の才能を見抜き、自らが運営する「修造チャレンジ」という、日本のトップジュニアを集めて指導するテニス教室に招待し、厳しい指導をしたそうだ。

 錦織選手は、「修造チャレンジに参加していなければ今の僕はいない。泣かされることも多々あったけれど、あの経験があってこその今がある」と話している。松岡氏は錦織選手の上司ではないが、自分にそんな経験を与えて育ててくれるような上司に出会えたなら、その後の人生は大きく発展していくに違いない。

 自分の部下のことを深く理解し、厳しい指導で育て、部下が独り立ちして自分の手を離れてからも常に熱い声援を送り、成果をあげれば自分のことのように心の底から祝福してくれる熱血上司。松岡氏からはそんな理想の上司像が浮かんで来る。

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浅羽登志也

情報工場シニアエディター。1989年、京都大学大学院修士課程修了後、リクルート入社。同社スーパーコンピュータ研究所にてインターネットに関する研究に従事。1992年、株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)に創業メンバーとして入社。インターネット黎明期からサービス開発・技術開発に携わる。IIJは、日本で最初にインターネット接続の商用サービスを開始したインターネットサービスプロバイダで2006年12月東証一部上場。1999年、IIJ取締役、2004年より2009年までIIJ取締役副社長。2008年より2015年までIIJイノベーションインスティテュート代表取締役社長。2015年7月よりIIJフェロー。情報編集にも興味を持ち、2007年より松岡正剛氏主催のイシス編集学校で松岡流編集術を学ぶ。現在イシス編集学校の師範を務める。2010年に軽井沢へ転居。自然農法で、自家用の蕎麦や大豆を栽培中。

 


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