経営×総務
社員の能力を100%引き出す 食事マネジメント
【第1回】 2016年9月27日
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笠井奈津子 [栄養士、食事カウンセラー]

残業の多い職場では、なぜメタボな社員が多いのか

今や会社が社員の食事までケアするのが、常識になりつつあります

 “社員の能力を100%引き出す食事マネジメント”……この連載タイトルをみて、「社員の食生活までケアするなんて、そこまで過保護にしないといけないのか」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。ましてや、そのマネジメントに栄養士が関わってくるなんて、理解に苦しむ方もいることでしょう。私自身、栄養士を目指した十数年前には、社員食堂で働く以外に、栄養士として企業でお仕事をさせていただくことがあるなんて想像もしていませんでした。

 しかしながら、この数年、企業からお声がけをいただいて社員の方にお話をする機会が大変多くなりました。

 「社員が健康でいられるよう、会社としても取り組まないといけない」
 「毎年、産業医の先生に話してはもらっているんだけれど、聞いて終わりになってしまっているんですよ」
 「メンタルヘルスに問題を抱える社員が多くて、いろいろな切り口を模索しているんです」
 「社員には健康でいてほしいですから」
 「他と違う取り組みをして会社のウリのひとつにしたい」

 こうしたテーマを取り扱うことをタスクとして考えている、現状ですでに社内に課題を抱えている、もともと健康に興味をもっているなど、企業の皆様が私にお声がけいただくきっかけやご事情は様々だと思います。ただ、最近の企業経営において「健康経営」というキーワードが注目されている影響も小さくないと思います。社員の健康を気遣うことは、仕事のパフォーマンスを上げ、巡り巡って企業に利益をもたらす、という考え方です。

 もちろん、食でどこまで変わるのか、という期待値も様々ですが、社員の「食生活が良いに越したことはない」し、「心身ともに健康でいられるために、少なくとも、食はその一端を担う」ということは、皆さま意識されているようです。とりわけ、経営視点から全社員のマネジメントに携わる人事・総務のご担当者にとって、社員の健康維持への取り組みは、重要な仕事の1つになっていくと思います。

 そうはいっても、やはり健康管理は本来個人の問題であり、そこまで総務・人事部で扱うべきではないと考えられる方もいらっしゃるでしょう。事実、取り組まないといけないのは本人ですが、チームや部署、会社全体の風土の中でよく見られる傾向があれば、企業としても個々人が改善しやすい環境づくりをサポートすることが大切になってきます。

 特に、食に関していえば、そこに総務・人事部の皆さまが関わることの意義があります。その企業ならではの働き方、毎度の食事にかけられる予算感、職場の近隣の飲食店事情などを知っている“身内”だからこそできることがあるのです。この連載では、皆さまが対策をとられるときの参考になるよう、職場によって異なる問題点や対策をご紹介していきたいと思います。

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笠井奈津子 [栄養士、食事カウンセラー]

東京都生まれ。聖心女子大学文学部哲学科を卒業後、栄養士免許取得。現在、栄養士、食事カウンセラー、フードアナリストとして活躍中。都内心療内科クリニック併設の研究所での食事カウンセリングやセミナーなどで、これまでに携わった8000通り以上の食事記録をもとに食事指導を行っている。また、“食卓に笑顔を”の願いのもと、『Smile table』を主宰し、ビジネスマン向けに企業内研修、カウンセリングをするほか、ワークショップなども実施している。最新の情報などはこちらへ。
著書には『甘い物は脳に悪い』『成功する人は生姜焼き定食が好きだ』がある。
文化放送「オトナカレッジ・健康学科」に隔週木曜日出演中。詳しくはこちらから→オトナカレッジHP
ポッドキャスト「オトナカレッジ・聴く図書館」でも聴けます。番組紹介動画はこちら

 


社員の能力を100%引き出す 食事マネジメント

かつて社員の病気や体調不良は、自己責任というイメージが強くありました。しかし今、社員の健康上の問題は、会社の経営・業績に大きな影響を及ぼしかねません。この連載では、職種などで異なる「特有な働き方の問題点」、それに伴う「食事の問題点」を紐解きながら、人事・総務部はどのように対処すれば改善すべきか、栄養士の目線から解説します。

「社員の能力を100%引き出す 食事マネジメント」

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