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三谷流構造的やわらか発想法

全校児童に大声競争で伝える限界突破

小学生へのスピーチ(2)

三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]
【第148講】 2016年9月29日
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片山右京の限界突破!―ようこそ先輩

 この4月、NHKの名物番組『課外授業 ようこそ先輩』がその18年間の幕を下ろしました。『ようこそ先輩』は著名人が母校の小学校に戻って子どもたち相手に授業を行うというもの(*1)

 その中でも2001年放送の片山右京さんの回「君の体は心が動かす」は秀逸でした。

 まずは前段としてクラス全員を富士スピードウェイに連れて行きます。1周4.6kmのコースを歩かせた後、彼は同時に3人ずつ車に乗せてその「腕」を見せつけます。もちろんみんな、絶叫の連続です。

 そして、授業本番はなんと、学校の体育館につくられた富士スピードウェイの模型コースで行われます。授業内容は、「コースを子どもたちに走らせてそのタイムを計る」こと。それだけです。

「本当の限界はみんなが思っているよりもずーっと先にある」

 さて、1回目。意外な結果が出ます。

 ふだん鈍足の子がクラス2位になったり、俊足の子が真ん中くらいだったり……。子どもたちは悲喜こもごも。

 右京先生はみんなに言います。

 「もっと考えて、自分の体をコントロールして! みんな、まだまだ速くなれる!」

 子どもたちは、コースを歩いて下見し、作戦を考え、イメージトレーニングをします。

 そしてタイムトライアル、2回目。

 なんと全員のタイムが大幅にアップしています。盛り上がる子どもたち。

 「やった、やった」

 しかし彼は皆に言い切ります。

 「まだだ!」

 「もう限界って思っているかも知れないけれど、本当の限界はみんなが思っているよりもずーっと先にある

 「集中しろ! 集中すればその限界を突破できる!

 彼に何度もハッパをかけられて子どもたちの目の色が変わります。

 そして3度目のタイムトライアル。

 結果は……。

*1 1998年4月2日放送の初回は桂三枝(現 6代目桂文枝)による「落語は想像力の教科書や!」。

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三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]

1964年大阪生まれ、福井育ち。小1のとき読書と読みかじりを人に教える快感に目覚め、駿台予備校では教えることの技術に衝撃を受ける。東京大学 理学部物理学科卒業後19年半、BCG、アクセンチュアで戦略コンサルタントとして働く。2003年から06年までアクセンチュア 戦略グループ統括。途中、INSEADでMBA修了。
2006年から教育の世界に転じ、社会人教育と同時に、子どもたち・親たち・教員向けの授業や講演に全国を飛び回る。「決める力」「発想力」と「生きる力」をテーマに毎年8000人以上と接している。現在K.I.T.(金沢工業大学)虎ノ門大学院 主任教授(MBAプログラム)の他に、早稲田大学ビジネススクール、グロービス経営大学院、女子栄養大学で客員教授、放課後NPO アフタースクール及びNPO法人 3keys 理事を務める。永平寺ふるさと大使。
著書多数。『一瞬で大切なことを伝える技術』(かんき出版)は啓文堂書店2012ビジネス書大賞、『経営戦略全史』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)はダイヤモンドHBRベスト経営書2013第1位、ビジネス書大賞2014大賞、『ビジネスモデル全史』(同)はHBRベスト経営書2014第1位となった。
HPは www.mitani3.com

 

 


三谷流構造的やわらか発想法

発想法ってなんのために存在するのでしょう? ヒトと違うアイデアや答えを出すためです。統計的に有意な戦略なんて、定義により無価値ですし、統計的に正しい発想法なんてあるわけがありません。発想に「普遍性」や「高確率」を求めるなんてそもそも矛盾しているのです。発想法も、然り。これまでと違うものを生み出すには、新しい発想法がいま求められているのです。

「三谷流構造的やわらか発想法」

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