9月13日、中国国家統計局が1~8月の経済運営データを発表した。

 全体を要約すると、1~8月、社会インフラを含む設備投資である固定資産投資が前年同期比8.1%増の36.6兆元(約551兆円、1元=約15円)で、増加率は1~7月までの平均値と同様であった。

 国家統計局投資局の王宝濱・高級統計師は、社会インフラ投資の特徴を以下のように纏めた。(1)社会インフラの投資は前年同期比で19.7%増となっており、インフラ投資は、きわめて重要な役割を果たしている。(2)日本の設備投資にあたる工業投資は、減速したが、投資の内容が変化し、合理的になっている。(3)観光、教育やR&D関連の投資は増加している。とくに公園の整備などへの投資は42.2%増と大きく、R&D投資も15.9%増であり、教育関連の投資も22.8%増加した。

 8月に限ってみると、自動車の生産と販売は非常に好調で、自動車製造企業の利益は、昨年と比べて43.9%も大きく増加、7月と比べても24.9%増であった。産業の構造転換を進めた結果、金属の精錬や圧延関連の企業も増益となり、今年に入っての月間利益として最高を記録した。石油精製やコークス、原子力燃料の加工を業務とする企業は、110.4億元の利益を獲得し、7月より35.3億元もの増益となった。

楽観する西側メディア

 これらの結果について、欧米の主要経済メディアは楽観的な論調で報じた。論調としては、中国の国内メディアより楽観的だったと言っても過言ではない。これは、極めて珍しい現象である。

 米『ウォールストリート・ジャーナル』は、「暖かさを回復」という表現さえ用いて報道している。「8月の中国経済の成長は力強さを増し、政府のインフラ整備投資、不動産売買が安定的な経済成長を助けた」

「エコノミストによると、このほど発表された工業企業の付加価値や小売額等の一連の経済指標は、中国の経済活動が過去数ヵ月の乱高下の後、8月になって暖かさを回復したと示したという」

 また同紙は、独コメルツ銀行のエコノミスト・周浩氏の「中国経済のデータは良好であり、経済の安定的成長に入っているように見える」という分析を引用して報じた。