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ユニーク企業の仰天戦略

36年黒字のもやし会社の原点は「コカ・コーラに敗北」

曲沼美恵 [ライター]
【第11回】 2016年10月7日
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サラダコスモ・中田智洋社長
Photo by Toshiaki Usami

世間的に儲からないと思われている「もやし」に活路を見出し、業界トップクラスの企業へと成長したサラダコスモ。その原点はラムネの製造・販売事業にあった。

来る日も来る日も重いラムネの箱を運び、腰痛にも苦しんでいた若い頃、社長である中田智洋氏の耳に焼き付いて離れない1つの歌があった――。

前編中編に続き、後編ではそんな中田氏の原点と壮大すぎる野望に迫っていく。

コカ・コーラがなかったら
まだラムネ屋だったかもしれない

 「私には“世界一の野菜工場を作りたい”という目標があります。私は以前から、農業と観光とカルチャーが一体となったビジネスができたらいいなと思っていました。通常、1+1+1は3ですが、3つ合わせたら、そこに足し算以上のプラスαが生まれる。ちこり村はその第一弾。世界各地から、観光だけでなく視察や研修で人が訪れ、学ぶことができる生産施設の展開。そんな夢を抱いています」

――そういう発想は、いったいどこから生まれてくるのでしょうか。

 「じつを言いますと、原点はコカ・コーラさんなんですよ」

――えっ、コカ・コーラ!?

 「もちろん、向こうはうちなんてちっとも意識していませんよ。だけど、コカ・コーラがなかったら、おそらく、私はまだラムネ屋だったと思う」

 少し時を遡って説明しよう。

 大学を卒業した中田氏が家業を継ぐために地元・中津川市に戻り、父親の経営する「ナカダ商店」に入ったのは1973年のことだった。当時はラムネの製造・販売が主たる事業で、年商約2000万円。日本国中、どこにでもあるような中小零細企業の1つに過ぎなかった。

 「自分で言うのもなんですが、寝る間も惜しんで働いていました。日曜日も休まず、朝早くから夜遅くまで。それでも、ラムネはちっとも売れない。売れても利益が出ない。一方のコカ・コーラは倍の価格設定でも飛ぶように売れている。こんなことってあるんだなあ、と半ば諦めの心境で眺めていました」

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曲沼美恵[ライター]

1970年生まれ。大学卒業後、日本経済新聞社に入社。2002年からフリーに。近年はビジネス誌やウェブサイトで、ルポルタージュやインタビュー、コラム等を執筆。近著に『メディア・モンスター:誰が黒川紀章を殺したのか?』(草思社)がある。仕事に関する情報はブログでも紹介中。「ニュース」より「人」に興味あり。

 


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