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トヨタとスズキ提携へ、66年前からあった伏線

「週刊ダイヤモンド」2015年10月10日号特集「トヨタvsフォルクスワーゲン」より

週刊ダイヤモンド編集部
2016年10月13日
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フォルクスワーゲンの最大のライバルであるトヨタ自動車は、かねてからスズキに興味を示していた。「週刊ダイヤモンド」2015年10月10日号特集「トヨタvsフォルクスワーゲン 最強の自動車メーカー」より、今回の提携を予見していた記事を再掲載する。

 “孤独死”もあり得るかもしらん──。独フォルクスワーゲン(VW)との提携解消を決意し、単独で生き残る道を選んでいたはずの鈴木修・スズキ会長は、近しい人物に思わずそう漏らした。

 2015年8月末、スズキとVWの4年にわたる泥仕合に終止符が打たれ、提携解消がついに成立した。記者会見の席では、「(今後は)提携を考えているというより、自立して生きていくことを前提にやっていきたい」と、強気な姿勢を示していた修会長。

 しかし胸の内では、単独で生き残れるどころか、新たな提携相手すら見つからない“孤独死シナリオ”も想定するほど、実は強烈な危機感を今、抱いているはずだ。

 スズキがVWに離婚を通告し、国際仲裁裁判所に提携解消を申し立てたのは2011年。その後、VWのドイツ本社で交渉のテーブルに着いたマルティン・ヴィンターコーン社長(当時)は提携継続を切望したが、スズキの原山保人・現副会長は声を荒らげ、「私たちは別れたいんだ」との一点張り。修会長は、それを黙って聞いていたという。

独フォルクスワーゲンのヴィンターコーン前社長(上)、スズキの鈴木修会長(下)、トヨタの豊田章一郎名誉会長(左)。Photo:AP/アフロ、REUTERS/アフロ、Sean Gallup/gettyimages

 亀裂の発端は、VWがアニュアルレポートでスズキを持分法適用会社に位置付けたことにある。これに対し、「対等な関係」や「経営の自主独立性」を重視するスズキは「話が違う」と猛反発。その後、事態は国際仲裁裁判所での仲裁交渉に発展し、関係修復はもはや不可能となった。

 そもそもスズキがVWと提携した目的は、環境技術の提供を受けることにあった。大手メーカーに比べて研究開発費も大きく見劣りするスズキが、今も技術的課題を抱えていることに変わりはない。

 ほかならぬ修会長自身、そう認識しているのだろう。15年9月17日、スズキはVWが保有するスズキ株の買い戻しを終了した。総額約4600億円。元手は自己資金で、自社株を消却する予定は今のところない。新たな提携の際に株の持ち合いとなれば手元の自社株を渡すこともできる、いわば戦略的な“余地”を残したといえる。

 新たな相手とはどこか。むろん今度こそ慎重に選ぶだろうが、修会長がかつてVWとの提携時に明言したように、今も「1000万台クラブ」を求めるならビッグスリーしかあるまい。

 このうちVWとの「“再婚”はない」(修会長)。かつて提携関係にあった米ゼネラル・モーターズ(GM)とよりを戻す可能性はあるが、今のGMはもはや何もかも与えてくれる優しいGMではない。

 となると、最後の選択肢は、日本の自動車業界の盟主・トヨタ自動車しかない。国土交通省幹部やスズキの主力銀行筋も、そんな見立てをしている。

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