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職あれば食あり

お正月はご祈祷2000件で大忙し!
冷え切った神主の体を温める“素朴なパワーランチ”

まがぬまみえ
【第1回】 2011年1月6日
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岩松さんのお弁当「お米はガス釜で炊く。野菜は神様のおさがり」

 つややかなつくねバーグに卵焼き、タケノコとにんじんの煮物も見える。ごはんは、俵むすびが1つ。写真には写っていないが、お弁当の蓋にはスヌーピーのイラスト、箸箱はかわいらしいピンク色であった。

 「ほんとうに、こんなお弁当でいいんですか?」

 栃木県益子町にある鹿島神社の神主、岩松史恵さん(31)が心配そうにのぞき込む。弁当は、岩松さんの手作りだ。

 「もちろん、これがいいんです」とシャッターを押す筆者。

 これは、働く人がふだん食べているランチを追いかける企画なのだ。

平安時代の食事は1日2回
日本に「ひるめし」はなかった

 ランチには、働く人の苦悩と歓びが詰まっている。そう考えるようになったのは、『日本人のひるめし』(酒井伸雄著、中公新書)を読んだことがきっかけだ。

 本によると、日本にはもともと「ひるめし」という概念がなかった。平安時代、人々の食事は朝と夕の1日2回。それが、昼も含めた1日3食へと変わっていったのは、経済が発展し、サラリーマンが増え、文明が発達した結果、活動時間が長くなっていったからである。

 鹿島神社が鎮座する益子町は、益子焼で有名な観光地だ。最寄りの駅は真岡鉄道の益子町駅だが、東京の都心からだとJR新宿駅から湘南新宿ラインに乗って宇都宮駅まで行き、そこからのんびりとバスに揺られながら行く方法もある。

 バスが益子町に入ると、道路の両側に真新しいカフェや陶芸店が見えてくる。鹿島神社はそんな喧噪からは少し離れた、駅前通りに面している。

 撮影の様子を眺めながら、宮司の小幡正之さんが言う。

 「今日のお弁当は、だいぶ気合を入れて作ってきたみたいです」

 宮司ほか2人の神主が勤務する、こじんまりした神社である。

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人は食べるために働くのか、それとも、働くから食べなければならなくなるのか。そんな素朴な疑問を解き明かすべく、さまざまな職業に従事する人々のランチと人生を追いかける。「職」と「食」の切っても切れない関係を解きほぐす、お仕事紹介ルポ。

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